前回はWHOが気にかけている国や地域についてお話しました。
では日本はどうでしょうか?
ありがたいことに日本の衛生面は世界トップクラス。国民の意識も高く、乳製品の冷蔵保管はほぼ常識レベルです。そこに
「育児用ミルク(粉ミルク)の作り置きはしない。作るときは消毒をしっかりと!」
としつこく言われます。
そんなこともあり日本では汚染や腐敗したミルクを飲む赤ちゃんが少ないです。
日本にいる私たちには当然のことかもしれませんが、これは本当、凄いことです。
それに加え、日本の育児用ミルクは種類が豊富です。しかもそのほとんどに母乳に不足しがちな栄養素が添加されています。
つまり、育児用ミルクを併用すれば、赤ちゃんは母乳に足りない栄養素がとれます。
これは立派な補完食ではないでしょうか?
補完食の定義は母乳に不足する栄養素を補うです。
だから、母乳でない育児用ミルクを活用することはそれに該当します。
もし、乳以外の食品を口にすることを≪食事≫とし、それを補完食とするなら、それはどちらかというと≪離乳食≫の概念だと私は思います。
“食べる”という行為の取得に重点を置くので、栄養素より食材やその形態がポイントになります。
上手くゴックンできるように…
上手くカミカミできるように…
育てる方は試行錯誤で準備します。なのに、昨日までご機嫌に食べていた食材をいきなり ベー と出すようになり、それが続く。
これは離乳食を進めていく中でのあるあるで、ほとんどの場合一過性です。時間経過とともに再び食べるようになることが多いので、気にせず与え続ければいいのですが、当事者からすれば
「大きさや硬さに問題があったのではないか?」と自分の調理に疑心暗鬼になったり
「栄養が足りなくなったらどうしよう・・・」と不安に駆られたりします。
そんな時でも日本なら育児用ミルクを活用すれば不足しがちな栄養素は補うことができます。
母乳の代わりでも、離乳食の材料でも、与えればOKです。
また、ベビーフードもあります。
欧米などに比べれば少ないですが、WHOが意識している国・地域に比べると入手しやすい環境です。
このように日本で赤ちゃんの食事を進めていく場合、手段がいくつかあります。
母乳 or 食材ではないのです。
そんな日本という環境を活かして使える物をフル活用するそれが日本流の補完食だと私は考えます。
補完食(7)へ続く