私の体はホットケーキと同じなの?と
最近テレビやWEBで「糖化」**について見かけるんですよね💦
ちょっと「う~ん」・・・と思ってしまって
「糖化」とは、私たちの体内で起こる、いわば「体のコゲつき」のような現象です。
食事から摂ったブドウ糖などの「糖」が、体内の「タンパク質」などと結びつき、
AGEs(最終糖化生成物)という物質を生み出すことを指します。
このAGEsが体内に蓄積すると、肌の弾力が失われたり、血管が硬くなったりと、
様々な老化や病気の原因になると考えられています。
この「糖化」について、メディアなどで「ホットケーキが焼けて茶色くなる現象と同じ原理です」
と説明されることがあります。
この例えを聞いて、「体のコゲつきと、あの美味しそうな焼き色、一緒なの?」と
思ってしまいませんか?
正直に言うと、この例えは、分かりやすさを重視するあまり、
少し誤解を招く可能性があります。
たしかに、化学的に見ると、体内の糖化も、ホットケーキが焼けるときの「メイラード反応」も、
最初の「化学反応のスタート地点」は共通しています。
どちらも、「還元糖」が「タンパク質やアミノ酸」と、酵素を使わずに結びつくことから始まるのです。
しかし、決定的に違う点があります!
それは、反応が起こる「環境」、特に「温度」です。
- 体内の糖化: 私たちの体温(約37℃)という比較的低い温度で、
何週間、何ヶ月、何年もかけて、ゆっくりと進行します。
まるで、低温でじっくりと時間をかけて煮詰めるように、
少しずつAGEsが作られ、蓄積していくイメージです。
- ホットケーキのメイラード反応: オーブンやフライパンの高温(100℃~200℃以上)で、
わずか数分から数十分という短時間で一気に進行します。
この高温・短時間という環境だからこそ、あの食欲をそそる焼き色や香ばしい香りが生まれるのです。
そして、この過程でも一部のAGEs(食事由来AGEs)は生成されますが、
同時に色の元となるメラノイジンや香りの成分など、全く別の物質がたくさん生まれます。
つまり、「還元糖とタンパク質が出会って非酵素的に反応する」という最初のきっかけは同じですが、
その後の「環境(特に温度)」が全く違うため、反応のスピードも、
最終的にできる物質の種類も、体に与える影響も大きく異なります。
ホットケーキの例えは、「糖とタンパク質が結びつく反応なんだな」という
最初のイメージを掴むための比喩としては有効かもしれませんが、
「全く同じ現象が体内で起こっている」と捉えてしまうと、
正確な理解からはズレてしまいます。
体内で注意すべき「糖化」は、主に日々の食生活で血糖値が高い状態が続くことによって、
体内でゆっくりと進行するものです。
これを抑えるためには、極端な食事制限ではなく、
血糖値の急激な上昇を抑えるような食習慣(例えば、食物繊維を含む雑穀入りごはんを摂る、ゆっくり食べるなど)や、
適度な運動、十分な睡眠といった、生活習慣全般の見直しが何よりも大切になります。
もちろん、高温で焼いたり揚げたりした食品に含まれる「食事由来AGEs」
を摂りすぎないことも意識するに越したことはありませんが、
まずは体内で作られるAGEsを増やさない工夫に目を向けることが、健康維持のためには大事ですよね
上手にメディア情報を活用したいと思いました☺
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