陶酔感とろりとした陶酔感がある。竹の窓わくから涼しい川風が入り、全身がダラーッとなった。「ここもいい温泉だなあ。こっちもすごく好きですよ。いや、こっちのほうがいいかなあ」と迷っている。これが温泉の不思議な魅力で、どんなに気に入った温泉に入っても、つぎにまたいい温泉につかると、いまつかっている沮泉が一番いい、と思ってしまう。新しい女性にめぐり会うたびに「貴女が一番美しい」と言うのに似ている。腰を痛めているので、二番口の湯がことのほか気に入ったようであった。