秋田さんの言葉。
『“shade”は夜よりも暗い部屋。
退廃を飾る、
黒と影のギャラリー。』
ジャケットの、黒い羽根に見える壁の黒布は
実は「light」で纏っていたレース布だと。
レースは「糸の隙間」を見せる空間を編む手芸でしょう。
黒い糸のレースは、同時に白い空隙を捉えたものなのですね。
黒と、白と。
清春さんが否応なく内包し続ける影。
「light」で見せた眩しい光を、生みだす闇。
防人の歌。
対象の存在しない問いかけ。
問いかけることで、苦しみを成形して
見つめようとしてる?
清春さんが歌う間中冷たい風が吹くように感じる。
情熱の影-silhouette-
昔の曲は、セクシャルで性急にエロティックだった。
切羽詰まった熱。
それよりもっと、皮膚感。
体温。
しっとりと、寄せる体。
雨の夜の暗い部屋の中。
夜明けがどこまでも遠い夜。
・・・いやらしい。
暗いくちづけ
暗く揺れ動くベース、ギター。
その間をゆらりと歩く声。
水槽越しに見えるようなゆらめき。
もっともっと、暗く。
視界が暗くおちる。
そして退廃ギャラリーへ。
目元の見えない匿名の観客たち。
ミラーボールが廻るのに薄暗く。
ぼんやりと夕暮れのような、薄煙の立つ部屋。
さんざめく人々。
けだるさを楽しむこと。
明確な光は見つからない。
FINALE
隣で歌う様な近い体温。
泣きながら笑う。
今のこの曲が好きだ。
とても好きなのでうまく書けない。
真冬の華
イントロで気温が下がる。
氷が落ちてくる。
息が白く浮かぶ。
冷気の中で薄くかかる黎明の温度。
夜の中で脳裏に閃く白い光。
闇
艶々と輝く黒。
磨いたエナメルのような。
清春さんの中にみっしりと詰まった闇。
満ちた豊かな闇。
もう圧倒されて倒れ伏したい。
もう感想なんて書けない。自動書記かのように、
湧きあがったフレーズをただ書き並べただけ。
それでも初期感想を書き留めておきたかった。
曲が時間に発酵された後また自分で読むため。
