古くから来宮大明神と称し、熱海郷の地主の神であって、伊豆の来宮の地に鎮座し、来福・縁起の神として古くから信仰され、「延喜式神名帳」には「阿豆佐別神社」(アズサワケジンジャ)の名で記されている。
平安初期の征夷大将軍坂上田村麻呂公は戦の勝利を神前で祈願し、各地に御分霊を祀ったとも伝えられ、現在では全国四十四社のキノミヤジンジャの総社として、信仰を集めている。
国指定天然記念物に選定されている来宮神社のご神木「大楠」は樹齢2000年を超え、平成4年度の環境省の調査で、全国2位の巨樹の認定を受けており、幹周り約24米の迫力に人々は畏怖し、自然と手を合わす。
来宮神社の願事の由来は、
●縁結びの神 縁結びの神として古くから知られ今も遠近の人より良縁の幸福のご利益があるので、信仰が厚い。
●商売繁盛・宅地造成・温泉守護の神 昔から商売繁盛・宅地造成。温泉守護の神として信仰が厚く、御家繁盛の為ここを詣でる人絶え間がない。
●酒断ちの神 古くから酒断ちの神として近くは関東、遠くは関西に至る迄大神の御神徳が拡まり、酒の為家庭を破壊し病に悩み身を滅ぼさんとする人は、期間を定めて酒を絶ち大神の御利益により多くの人が救われている。その他諸々の願事を大神にすがり、大願成就して日夜詣でる人は絶え間がない。
また、この大楠はパワースポットとして有名な場所でもある。
●健康長寿・心願成就
●幹を1周廻ると寿命が1年延命する伝説
●心に願いを秘めながら1周すると願い事が叶う伝説
先日、僕は約二年お付き合いしている彼女と熱海の温泉旅行に出かけた。お金のない僕のためにわざわざ山奥の旅館を予約してくれたのだ。
緑に囲まれたその旅館は新築で清潔感のあるモダンな作りをしていた。海が見えるという触れ込みだったが、海が見える様子も無く彼女はがっかりしていた様だったが、くつろげる空間としては充分だった。
夕食はステーキ、お刺身、カニの食べ放題と豪華な料理に舌鼓をし、お腹を満たした後は温泉に浸かり日々の仕事の疲れを癒すかの様に、二人でゆったりとした時を過ごした。
そこで一泊した我々は次の日少し時間が空いたため、どこかに行こうかと模索していたのだが、二人とも熱海は初めてで右も左も分からない。我々は、困惑していた。
僕は費用を出してもらっている立場である以上、少しでも男らしい部分を見せようと携帯を片手に観光名所を探した。
すると、有名なパワースポットと噂される『来宮神社』が目に飛び込んできた。早速、僕がそこに行こうと提案すると、彼女は快く乗ってくれた。
場所も熱海駅から一駅の所にあり、地図を確認しながら歩く事10分。我々は何とか来宮神社にたどり着いた。
境内に入り、奥に歩を進めて行くと樹齢2000年という噂の大楠の木が悠々と鎮座していた。
その大楠は、悠久の時を得て時代と共に成長し、とても壮大で厳格な姿を覗かせつつ、我々を歓迎していたかの如く慈悲深く包みこんでくれる、そんな印象を受けた。
我々はその大楠に心を躍らしながら、早速言い伝え通り御神木を回る事にした。
御神木を前にして、無邪気にハシャいでいる彼女の顔を横目に、僕は恥ずかしながらお願いをした。
「この先、彼女がずっと幸せに暮らせますように。」
そんな自分に照れ隠しをながら、御神木を一周し終えると、朝方の不機嫌さが嘘だったかの様に彼女は満面な笑みを僕に見せてくれた。
その笑顔を見た時、僕の願いが御神木に通じた気がして、ただただ嬉しかった。
僕も出来得る限りの満面の笑顔で返した。
俗に言う、心と心が通じ合うとはこの事だったのだと己の体で感じながら、この時を惜しむかの様に神社を出る事にした。
しかし…
神社の目の前のバス停で、そのバスに乗る乗らないで彼女と早速揉めてしまった。
それがきっかけになり、お互いろくに言葉を交わす事なく、その空気に耐えられなくなった我々は東京に帰る事になった。
そして、間もなくして僕は彼女から別れを告げられた…
あれ?
縁結び…
…この先、彼女がずっと幸せに暮らせますように…
………………
なるほど、そういう事か~。
ぎゃふん!



