浅い眠りについてから1時間もたった頃、不意に強烈な耳鳴りがして金縛りが襲ってきた。
金縛りなんて彼女にしたら日常茶飯事なので、慌てずに金縛りを解くように足の指を動かす事に(足の指を動かすと金縛りは解けます)集中した。
でも、今日は勝手が違った。
何度トライしても、金縛りが解けないのだ。
ミチコはあせった。
今まで経験した事のないほどの強い金縛りだったからだ。
さらに神経を集中していると・・・
『ガシャ!!』とシャワールームの開く音がした・・・
『ズッ・・・ズッ・・・』
『ズリッ・・・ズルッ・・・』と何者かが、ベッドに近寄ってくる音がする!
そしてついには自分の寝ているベッドの横に立った。
ミチコは堅く目を閉じた。(金縛りであっても目はあけることが出来る。)
気配で、自分の真横に立っているのがわかるのだ。
絶対に見たくない!!と、ぎゅっと目を閉じてると。
『ポタッ!』
堅く閉じたその眉間に水滴が落ちてきたのだ!!
ビックリして、ミチコは目をあけてしまった。
そこには誰かの白い右手があった。
その白い手首から、「ぽた、ぽた」とミチコの顔に向かって真っ赤な血が滴り落ちていたのだ。
目を動かして、その主を見た。
暗がりで、顔こそは見えないがザンギリでおかっぱ頭の女性が、ミチコの顔の上に斬った右手首をかざしていたのだ。
「・・・・・・・・・・・・・」
そのまま落ちるように気を失い、ミチコは朝を迎えた。
全身に鳥肌が立ち、嫌な気は抜けないものの、悪い夢を自分は見たんだと言い聞かせた。
そして、ありえないくらいの汗をかいていたので、躊躇はしたがシャワールームを開けたら…昨日流したはずなのに、また大量の髪の毛が排水口に散乱していたのだ。
後日、ミチコさんは「オカルト研究会」会長らしく、独自でその部屋で何があったかを調査したところ。
彼女が泊まった、11年前にその部屋で女性が男性問題で自殺したことが、図書館の新聞で解りました。
その死に方が、シャワールームで自分の髪を、かみそりで切ったあと手首を斬り自殺なさったそうです。![]()
ミチコさんはホテル側に、自分が体験した事を話したんですが、いっさい聞き入れてはもらえなくて、「酔っ払ってたんでしょ」「そんな事実はありませんよ」
という、とおり一辺倒な答えしかくれなかったそうです。
ホントのところ、その自殺した女性の命日には、その部屋は開かずの間になるらしく、供養の為お花やお線香があげられているそうです。(関係者の話)
ホテルに聞いても、いっさいそのような事はありません!と、言ってるそうですけどね ![]()
おわり