こんにちは

獣医師の大内力です

だんだん春らしい気候になりつつありますね。2月4日には北陸の方で春一番が吹いたそうです。早い

暖かくなってきたとは言え、まだ肌寒いのは変わらないのでお散歩時など風邪をひかない様に気を付けてくださいね

さて、ここ数日のことですが、横になりながらバタバタしてしまって褥瘡が出来てしまったり、腫瘤が自壊してしまい筋肉が見えてしまったり....

となかなか大変な状況なのに、献身的にお世話をしている飼い主様が多く、とても素敵だなぁと感銘をうけました。

そこで、今日は年老いてきたわんちゃん・ねこちゃんの介護の話をしようと思います。

一言に「介護」と言っても、その対象は老衰や病気、認知症など様々な場合があります

今日はなかでも認知症かな？となった場合をご紹介しましょう

認知症とは認知能力が障害を受け、日常生活に支障をきたす状態のことを言います

おうちの子たちで認知症かな？となる時は徘徊や粗相をしてしまったり、夜鳴きが酷かったりと色々あるかと思います。

ただし、動物達は飼い主の気を引こうと徘徊して見たり鳴き続けたりすることもあります。おや？と感じたらその行動をする時間帯や状況をまず確認してみて下さい

状況確認が済みいよいよ怪しくなってきたら以下の5つの症状を確認していきます

１見当識障害：方向がわからない。狭い所に挟まり動かない。徘徊

２関係性の変化：家族のことがわからない

３睡眠覚醒サイクルの変化

４トイレ以外の場所での排泄

５活動の変化：若い頃すきだったものをしなかったりどんよりしたり

これら5つの症状がみられれば認知症の可能性がとても高くなります。

認知症は栄養学的に抗酸化成分が配合されたフードを食べることで進行が遅くできると言われているので、初期段階で気づかれた場合はサプリメントやフードなど使ってみてほしいと思います

しかし、徘徊が見られる場合は認知症がすでに進行している場合が多いです。それでも抗酸化成分の多いフードを食べてくれるのであれば与えてあげましょう。但し徘徊が見られた場合大事なことは好きにさせてあげるという事です

目的もなく徘徊しているように見えても本人たちは目的を持っています。なので下手に制限してしまえば逆にたくさん吠えるようになるかもしれません

安全に歩き回れ、その場で寝ても褥瘡にならないような環境を作ってあげましょう

小さい子達では子供用のビニールプールが有効みたいです

また、大きい子の場合子供用のスポンジ素材お風呂マットを床に敷き詰めて、よく寝るところに低反発マットレスを使用してあげると褥瘡の防止にも効果的です

年老いた動物達も長く付き合ってきた家族の一員だと思います。

飼い主も動物もお互い気持ちよく生活できるよう色々工夫できることは多々あります

もし、困った事があれば是非当院に相談にいらして下さい。

微力ながら全力でお力添えさせていただきます

年齢を重ねたおうちの子と上手に付き合っていきましょう