学童保育と言えば、放課後も子どもを学校で預かってくれるところ、というのが大方の市民の皆
様のイメージでしょうか。以前でしたら、親が昼間仕事のため家を留守にしている家庭が対象とい
うことで多くの家庭にとっては縁がないようなところもありました。しかし、今、学校施設の有効活
用、子どもたちの遊び場の確保、子どもに対する犯罪の増加、地域社会のつながりの低下などな
ど様々な理由から、親の留守の有無にかかわらず、放課後も子どもたちが学校で過ごせるように
する制度が生まれつつあります。国では主に文部科学省が音頭をとって進めている放課後子ども
プランが、全ての児童を対象にしていることから「全児童対策事業」とよく言われています。吹田の
例ですと「太陽の広場」事業が該当します。今はまだ週1回ペースのところが多いようですが、国
は相当力を入れているようでいずれ毎日になってくるでしょう。当然、学童保育とのすみ分けをど
うするのか、といった問題も出てくると思います。
Q13 「太陽の広場」が拡充されてくると、学童保育はいずれ統合されてしまうのでしょうか?1~
6年の全児童を対象にする「太陽の広場」に対し、1~3年の親が働いていて家を留守に対象にし
ている「学童保育(留守家庭健全育成事業)」は対象の児童が限定的で、一般に「太陽の広場」に
吸収されてもおかしくないように思えます。
藤木 文部科学省によると、「放課後子どもプラン」は、地域社会の中で、放課後等に子どもたち
が安全で安心して、健やかに育まれるよう、文部科学省の「放課後子ども教室推進事業」と厚生
労働省の「放課後児童健全育成事業」を一体的あるいは連携して実施するもので、具体的には、
放課後における子どもたちの適切な遊びや生活の場を確保したり、小学校の余裕教室などを活
用して、地域の方々の参画を得ながら、学習やスポーツ・文化活動、地域住民との交流活動など
の取組を実施します。現在、多くの市町村において、小学校や公民館などを活用し、地域性を生
かしつつ「放課後子どもプラン」に取り組んでいるとのことです。
以前でしたら、学校が終わったら、子どもたちは下校途中でも公園や路地などで遊んだりしていま
した。原っぱもそこそこありましたし、地域の大人たちの見守りもありました。家に帰るなり玄関で
ランドセルを放り出し、すぐに遊びに行っていた、のような記憶を持っておられる方も多いと思いま
す。しかし、今は大きく時代が変わりました。多くの子どもたちが放課後は塾や習い事に出かけて
しまい遊び友達が近所にほとんど見当たらない、公園も少ないのに人影も少ないし犯罪が心配、
地域のつながりも減り近所の大人が見守ってくれることも少なくなった、外で遊ぶより家の中でテ
レビやゲーム遊びが中心になってしまっている、など子どもたちが仲間を集め、気軽に外で遊べる
ような環境ではなくなってしまっています。寂しいことですが現実に合わせる必要が出てきました。
昔は子どもの遊び場だった公園や原っぱが減ってしまいました。今や広い場所と言えば学校の運
動場くらいしかありません。一方、小学校は夕方4時には児童はほとんどいなくなります。もったい
ないです。運動場や学校施設をもっと有効活用できるのではないか、遊び場に欠ける子どもたち
の活動の場に使えるのではないか、などから全児童対策が生まれました。全児童が対象ですか
ら入室許可がありません。また文部省が所管していることから、学童保育みたいに、学校は文部
省、学童保育は厚生省といった所管のちがいによる連携の難しさが減ります。全児童対策事業は
文部省、教育委員会の所管なので、学校活動との一体運用が可能です。
責任体制も取りやすい、またPTAをはじめ、地域の団体との今まで学校が持ってきたつながりを
活かして運営できるといったメリットがあります。実際、全児童対策事業は地域の方々の力で支え
られています。
一方、今の吹田の学童保育には、地域とのつながりが決定的に欠けています。この点は別
の機会に述べますが、全児童対策事業はこれからどんどん伸びてくると思います。
学校を教
師と保護者で支える今までの仕組みから、学校を地域全体で支える仕組みづくりが国や大阪府
でここ最近一斉に進められています。全児童対策事業はこの大きな流れの一環になっています。
となると、学童保育はどうなるか?いずれ全児童対策に含まれていくと思います。完全統合となる
か、仮に連携するとしても対等なかたちの連携でなく、全児童対策事業の1メニューになってくる
のではないでしょうか。特に吹田の学童保育は今、岐路に立っています。施設の過密・老朽化、莫
大な運営費、保育時間の硬直化など制度疲労、運動団体に取り込まれてしまい学童保育活動自
体が政治活動と一体化してしまっているといった弊害が出ています。一方、仕事を持つ親にとって
安心して預けられるといった学童保育のよい部分もあります。学童保育を充実し、よい点を生かし
ながら市民に信頼されるものにしていくには、地域で学校を支えるという動きの中でどう学童保育
を位置づけるか、が大きな焦点になってくるように思います。これからの学童保育は市民に支持さ
れ、地域で支えられるものにしていく必要があります(続く)。
人気ブログランキング←本日もワンクリックお願いします。[E:flair]