今回のお話は、「高校生になったら彼女がほしいけど、男子校に行ったら彼女なんかできないんじゃないか」と心配している中学生男子、あるいはそのお母さんを対象に書いています(父親はだいたい私と同じこと考えていると思うので)。

私は公立の中学校に通っていましたが、勉強などそっちのけで四六時中「モテるにはどうすればいいのか?」と考えていました。

当時は、「運動神経が良い」「不良っぽい」「笑いのセンスがある」のがモテる条件でしたが、私と言えば、運動神経は「球技大会で辛うじて足手まといにならないレベル」で、不良になる度胸もなく(だから私立中学に行こうとした)、一言でクラスを爆笑させるような笑いのセンスにも恵まれなかったので、一生懸命髪型をいじったり、「カルチャークラブ」を聴き始めたり、母ちゃんの買ってきた洋服を着なくなったりして、わずかでも「モテ偏差値」をあげようとしましたが、あまり効果はありませんでした。

せめて「頭の良いキャラ」で一目置いてもらおうと画策したのですが(その時点でダサい)、「早稲田?慶應?ザ・ガマンに出てた大学でしょ? 明治や法政の方が強いよね」という同級生がほとんどで、「すごい!」と褒めてくれたのはガリ勉男子のK君だけでした。

当時は学区制があったため、都立のレベルが一番低かった時代でしたが、それでも「あの人、頭が良い!」と言われるのは、早慶附属ではなく、地元の名門都立に行く人たちばかりでした。

そんな「こじらせた状態」で高校に入ったわけですが、高校には、雑誌のモデルをしているヤツ、芸能事務所に在籍しているヤツ、女子大生にナンパされて貢がせているヤツなど、「モテ」のレベルが桁違いのヤツらが何人もいて、文化祭など、入れ替わり立ち替わり女子高生が「○○君いますか??」と現れるほどでした。

そういうヤツらを間近に見て、なんというか、「必死にモテようとするのメンドクセ」といった諦めの境地に至ってしまいました。

ステータスを「モテ」に振ることを止め、友達とゲーセン行ったり、徹夜で麻雀したり、ファストフードでダラダラ下ネタを話し合ったり、友&愛で借りたロックのアルバムをカセットテープにダビングして貸し借りしたりして、自由気ままに3年間を過ごしました。

女子を意識して格好付ける必要もなく、情けないこともダサいこともさらけ出し合ってお互いに笑い飛ばし合う毎日は、単純に面白かったし、とにかく気楽でした。
(つづく)