【はじめての模試】
なんとか夏休みのカリキュラムを予定通り終えることができ、私の感覚だと、MARCH附属の問題でもそこそこ取れるくらいには力が付いたように思っていました。

そこで力試しとして、9月に模試を受けることにしました。
 

いわゆる難関私立用ではない普通の模試なので、問題は比較的易しいだろうから、息子の自信につながるだろう、むしろ慢心しないよう気を付けなければ、などと呑気に思ってたのですが、蓋を開けたらはMARCH附属の合格率20~40%というありさまで(私もそうでしたが・・・)、答案を見ると、解けるはずの問題をボロボロ落としていました。

本人は「ま、こんなもんだろ」と謙虚な気持ちでケロッとしていましたが、私の方は「あなたの教え方がイマイチでしたね~」と言われた気がして密かに落ち込んでいました。

仕事も少し忙しくなってきて、今まで通りに私が教えるのが難しくなっていたこと、得意の数学が今ひとつ伸ばし切れていないこと(私の指導力不足)、未だに本人のエンジンが掛かっていないこと(綺麗な早慶大生に出会うレベルの事件が起こっていない)等々を鑑み、塾を検討することにしました。

 

【塾講バイトの思い出】
私は、学生時代、塾講バイトをしていましたが、塾講は教員免許が要りませんから、学歴は「だけ」は良いけれど、普通に就職できなかったユニークな御仁がたくさんいて、とても良い社会勉強になりました。
 

多感な中学生女子から「あの先生、気持ちが悪いから変えてください」と署名を集められて、泣いて辞めたオジサン先生もいました。「来年は、オレ、ここにいないから」と毎年宣言していた司法浪人の先生(少なくとも私が辞めるまではいました)。バイトの女子大学生に手を出してクビになった先生。さらには教え子を妊娠させてクビになった先生もいました。

中には「オレはこのマーカー1本さえあれば全国どこでもメシが食える」と豪語する凄腕の先生もいました。授業はたしかに芸術的で大いに感動しましたが、性格と酒癖は最悪で、あっと言う間に塾長とケンカしてよその塾に行ってしまいました。

そんな中、我々学生バイトチームは、有り余る時間と承認欲求を武器に、生徒たちにボランティアで補習をしたり、頼まれてもいないのにオリジナルプリントをシコシコ作って配ったりと、純粋に生徒の成績が上がるのが楽しくてしょうがないヤツらばかりで、正規の先生よりよっぽど塾に貢献していたと思います。なので、最近よく見かける「当塾には学生バイトは一人もいません」という広告を見ると、宣伝文句としては分かるけれど、「ちょっと違うんだけどなあ」と思ったりします。

何が言いたいかといいますと、「塾の先生は学校の先生以上に玉成混交、バイトだろうと正規だろうと関係ない」ということです。

【塾選び】

でも、確率論から考えて、大手であれば給与水準は高いだろうからそれなりの先生が集まるだろうし、生徒が多ければそれだけ集まるデータも多く、入試対策の信憑性も増すだろうと考え、某Wアカ(以下単に「塾」とします)の情報を調べ始めました。

この塾には「早慶必勝クラス」という、月に2、3回、日曜日に一日たっぷりと三教科の授業をおこなうクラスがあります。

未だエンジンの掛からない息子は「塾に毎日行くのはカンベンしてほしい」と言っていたので、「じゃあ、月に2、3回だけ塾に行くだけならどう?」と説得して、そこに入れることにしました。
 

ただ、このコースは、各校舎のレギュラーコースに通っている塾生の中で、一定レベルに達している生徒を拠点校に集めて集中特訓をおこなうコースのようで、レギュラーコースに通っていない息子を受け入れてくれるのか不安だったのですが、「構いません」とのお返事をいただきました。

しかし、それには選抜テストをクリアする必要があり、テストの結果、早慶クラスには遠く及ばなかったのですが、その下のMARCH附属を狙う難関選抜クラスにギリギリ入ることができました。(テスト問題を見ると、かなりの難易度で、この塾で早慶を目指す生徒は、夏までにこのレベルまで到達しているのか、と驚きました)

塾の先生からは「塾に行かずにこれだけの点数を取るのはすごいですね」と言われたので、お世辞と分かっていても、先日の模試で自信喪失していた私はすっかり舞い上がって「この塾にお任せしよう!」と強く思った次第です。