新宿鮫風化水脈/毎日新聞社

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年末、サニーサイドエッグを読み、流れで積読になっていた1冊に手がのびた。
もう昨年・・・数度手に取り積み替えした1冊。
孤独に仕事をする男の物語に憧れていたんだと思う。
今回、鮫島の追う事件は、新宿を中心に頻発している自動車窃盗団の調査である。
そんな折、かつて知った藤野組の男、真壁と出会う。
主な登場人物
鮫島 新宿署防犯課警部
大江 淀橋パーキングの駐車場係
若松(母) 小料理屋「なずな」の女将、雪絵の母
若松雪絵 真壁の恋人
真壁 藤野組組員、かつて中国人組織を壊滅においやった。長期刑を経て出所したところに鮫島と出会う。
王 真壁に潰された中国人組織の一人。今は、リーダーとなり藤野組と仕事をしている。
主だったストーリーは、鮫島の追う自動車窃盗団と窃盗団の追跡で見つけた屍蝋化した数十年前のヤクザの死体が中心となる。
どちらかと言えば、地味な流れだが、鮫島の生き方を問い直すような深いストーリーになっている。
鮫島は、警察組織から疎まれながらも、自分を信じ職務を遂行する。
鮫島は、理想の警察官とは何か・・・それを考え自分の行動規範とする。
鮫島の職務に対する考え方、それを客観的に示唆する人物として「大江」という人物が登場する。
新宿の戦後間もない頃が丁寧に描かれ、そこに発端する事件が、現代とつながってゆく。
真壁を中心とする、道を外したものの緊張感。
鮫島の業務に対する心の置き所。
緊張感が動であり、鮫島は静だろうと思う。
その二つのバランスが、新宿を舞台に物語を進行させる。
とても面白く読ませていただきました。