バレンティン選手の穴を埋めるのは、誰? | 線路の外の風景

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 長らく、東京ヤクルトで活躍していたウラディミール・バレンティン選手が、福岡ソフトバンクホークスへ移籍することが確実となりました。

 長年ヤクルトを応援してきた管理人にとって、馴染みのあるバレさんの移籍には寂しさを感じる一方、打撃成績は確かに立派だが守備に問題があり過ぎるため、かねてからバレさん不要論も唱えられていたこと、そもそもバレさんが9年間もヤクルトに在籍していたのは、国内FA権を取得するまでは、球団の許可なく国内の他球団に移籍してはならないという契約条項があったからであり、バレさんが本当に国内FA権を取得してしまった以上、金満球団への移籍は避けられないというのは、半ば覚悟していました。かつてのペタジーニ選手やラミレス選手と異なり、宿敵である読売に移籍しなかっただけ、まだマシな結果だったとも言えるでしょう。

 もっとも、バレさんに代わる戦力として、ソフトバンクからFA宣言した福田秀平選手の獲得を目指したものの、獲得には失敗し、来季のヤクルトは、バレさんの穴を若手選手で埋めるしかないというのが実情です。

 この記事では、バレさんの穴を誰が埋めるのか、外野手を中心にヤクルトの主な若手選手について、今年の実情をまとめてみました。

 

● 中山 翔太選手(背番号8、23歳) 期待度 C

 履正社高校から法政大学を経て、2018年のドラフト2位で入団。

 入団当初から、かつて大杉勝男、広沢克実が付けていた強打者の番号である背番号8を与えられるなど、かなりの期待を背負っていました。愛称は同姓の芸能人にちなみ「きんに君」。ウェイトトレーニングが趣味だそうです。

 今年の成績は、1軍が35試合に出場して100打席に立ち、打率.289、本塁打5本。ファームでの打撃成績は、78試合に出場し打率.267、本塁打6本という結果に終わりました。

 プロ1年目としては、そこまで悪い成績というわけではありませんが、来年は青木選手が左翼手に転向し、穴となるのは中堅手と予想されるところ、中山選手は高校・大学時代にレフトやファーストを守っており、外野手と言ってもセンター向きの選手ではありません。青木選手や雄平選手も高齢なので、将来左翼手または右翼手として活躍する可能性はあるものの、来年にバレさんの穴を埋める選手として期待するのは、まだちょっと早いような気がします。

 

● 塩見 泰隆選手(背番号9、26歳) 期待度 B

 武相高等学校から帝京大学、JX-ENEOSを経て、2017年のドラフト4位で入団。

 入団当初から、かつて杉浦享、ペタジーニ、鈴木健が付けていた、同じく強打者のイメージがある背番号9を与えられ、中山選手と同じくかなりの期待を背負って入団した選手といえます。

 プロ2年目となった今年の成績は、1軍が45試合に出場して98打席に立ち、打率.182、本塁打1本。ファームでの打撃成績は、74試合に出場し打率.310、本塁打16本、23盗塁という結果を残しています。今年の一軍通算成績だけを見れば、まだまだ物足りないという印象を受けるのですが、中山選手と違って足が速くセンターを守れるほか、ファームではなかなかの成績を残しており、9月に1軍再昇格を果たした後の打撃成績を見れば、41打席で35打数12安打、打率.343と順調な結果を残しています。

 このように、塩見選手には若干成長の兆しがあり、守備位置としても来年穴となるセンターを守れることもあって、来年塩見選手が1番センターでレギュラーに定着してくれれば、バレンティン選手の穴を埋めてくれる可能性もあります。

 

● 山崎 晃大朗選手(背番号31、26歳) 期待度 B

 青森山田高校から日本大学を経て、2015年のドラフト5位で入団。背番号は、真中満選手の付けていた31。

 プロ4年目となる今季の成績は、80試合に出場して185打席に立ち、打率.274.4盗塁。昨年は打率.184と不本意な結果に終わりましたが、今季は持ち直しており、7月以降はほぼ1軍に定着しており、代走や守備固めで使われる場面が多かったほか、ベテランの主力選手がお休みの日には、先発出場することも結構ありました。客観的に見れば来年の正中堅手に最も近い位置にいるのかなあという気がしますが、塩見選手と異なり長打力はあまり期待できないので、レギュラーとしては物足りないという感じがあります。

 

● 濱田 太貴選手(背番号51、19歳) 期待度 C

 明豊高校から、2018年のドラフト4位で入団。背番号は51。

 プロ1年目となる今年は、一軍の打撃成績こそ5打数無安打に終わりましたが、ファームで105試合に出場し、打率.254、8本塁打、11盗塁の成績を残し、イースタン・リーグ優秀選手賞を受賞しています。今後、一軍で通用する選手になるかどうかは未知数ですが、高卒の若い選手だけに、今後大化けしてくれる可能性も無くはありません。

 

● 廣岡 大志選手(背番号36、22歳) 期待度 C

 智弁学園高から、2015年のドラフト2位で入団。背番号は、かつて池山隆寛選手が付けていた36。

 プロ4年目となった今年は序盤、開幕41打席連続無安打という不名誉な記録を作ってしまい、一軍の打撃成績はトータルで91試合に出場、243打席に立ち打率.203と不本意な結果に終わりましたが、シーズン終盤に持ち直し、9月の月間成績は打率.333、本塁打は自身初の2桁となる10本を記録し、また33四球を選んだため出塁率は.319と、選球眼の向上も果たしています。

 もっとも、廣岡選手の本職は遊撃手であるところ、遊撃手としては58試合で10失策、三塁手としても29試合で3失策と、内野の守備には相当危なっかしい面があります。来期は遊撃守備の名手とされるアルシデス・エスコバー選手の入団が決まっているため、遊撃手・三塁手としての出番は減ると予想されていますが、打撃センスの期待値は高いため、以前から外野コンバートの可能性は噂されており、外野手として出場機会を増やし、レギュラーの座を手にする可能性もゼロではありません。

 ただし、外野手に転向していきなり重要なセンターを任せるのは無理があり、今のところ廣岡選手が外野手に挑戦するという報道もありませんので、来季は一塁・三塁のうち、村上選手のいない側を守る可能性の方が高いでしょう。

 

 

 大体こんな感じでしょうか。

 上記のほか、今年不本意な成績に終わったベテランの坂口選手が、中堅手として再復活するという可能性もゼロではありませんが、一体誰が這い上がってレギュラーの座を掴むのか、現時点ではまだ見通しが付きません。外国人の補強は投手中心になりそうですし、来季のヤクルトは「こんなんで大丈夫かなあ・・・?」という不安を抱えたまま迎えることになりそうです。