2017年3月31日、安藤貞雄広島大名誉教授が89歳で亡くなられました。毎日新聞が報じています。

 

安藤貞雄さん 89歳=広島大名誉教授、英語学・日英語対照言語学専門 /広島

https://mainichi.jp/articles/20170404/ddl/k34/060/571000c


安藤先生といえばラッセルの翻訳などもされていますが、英語教育の分野では『現代英文法講義』(開拓社)という著書が非常に有名です。


詳細で信頼がおける文法書として、英語教師や英語教育関係者の必読書とされています。
 

 

 

 

ただ、945ページもの大著なので、一般的な受験生や大学生・社会人にはさすがにハードルが高い。


そこで安藤先生が高校生向けに書かれた『基礎と完成 新英文法 改訂版』をご紹介します。
出版社は数研出版。チャート式シリーズです。

 

 

 

たまには蔵書の写真をアップをしてみるw

 


初版は1984年。改訂版は1987年に出ています。30年以上も前の本ですが、英文法の権威が書いただけあってさまざまなこだわりが詰まっています。

 

まず英文法の本としては珍しく、序章として「綴り字と発音のルール」が簡単にまとめられているのが目を引きます。

 

 

また、随所に「新しい情報」という情報構造を取り入れた説明がされていたり、前置詞のコアイメージが図で解説されたりしています。

 

 

今の英語講師がドヤ顔で「学校では教えてくれない」と言って解説しているようなことも、すでに1980年代に安藤先生が高校生向けにわかりやすく解説してくれていたのですね。

 


ごく普通の学力の高校生でもがんばれば通読できて、今読んでも新鮮な参考書なのですが、残念ながら品切れ状態。増刷を強く希望します。