無いものが

欲しい。


なにがほしい?



わたしは

頼れる【両親】がほしい

 




わがままを言える

「ちょっとお願い」が言える

「送ってってー」が言える

「これ買ってー」が言える

「これ食べたーい」が言える

「ちょっとだけ子供みてて」が言える

【両親】がほしい



私には母親はいる

いつも忙しく

自分の世界で生きている

母親がいる


楽しくやっている母親をみて

私はそれで良かった


むしろ

楽しくしてくれていることが

私の安心感にもなっていた


一方で

両親がいないことで

頼れない自分がいる


お正月も

夏休みも

帰省はするけど

実家に甘える

実家に頼る

という感覚はない



子供を産んで母親になった今


独身のときより

子供のときより

頼りたい。

【両親】に頼りたい

そう強く思うことが増えた


誰にも寄りかかれなくて

今にも倒れそうで

どうしようもない

きもち



そんな私の支えに

なっているのが

香り。

 





ムウェットから

ただよう香りを

目を閉じて嗅ぐ


香りが

線になって

色を付けて

私の体に入っていく


ときどき

話しかけてもくる


音楽のように

次から次へと

色味や形を変えて

入ってくる


こうやって嗅いでいるときは

香りに寄りかかって

頼りにできる


やっぱり

わたしにとって

香りは特別なんだな。