佐藤栄作との戦い | 栄作文

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斎藤栄作の文

昨日、ガスの検針がやってきた。


ガス屋「佐藤栄作さんのお宅で間違いございませんか?」


……でた。
久々である。
私は斎藤栄作という名前なのだが、世間の6割は私の名前をパッと見で「佐藤栄作」と見間違える。
サイトウとサトウ。
音は限りなく近いが字(「斎」と「佐」)は限りなく遠い。
なのに「栄作」という名前のインパクトに引っ張られる所為か?病院、役所などの公共機関では脅威の80%越えで「佐藤栄作さ~ん」と呼ばれる。

このブログをご愛読くださってる方にとっては「またその話か?」と言われる程頻繁にとりあげているが、この頻繁度合いでどれだけ間違われるかをご理解していただきたい。そしてこれまた何度も書くが、その頻繁度合いの所為で私は間違いをしらみつぶしに訂正していくような小さな男になっていった。


ガス屋「あれ?佐藤栄作さんで、お間違い……?」
栄作 「斎藤ですっ!!」
ガス屋「……ハイ。では検針結果ですね。」


おいっ!!


私は一瞬パニクった。
何だコイツは?完全にスルーしやがったぞ。
私は慌ててもう一度訂正した。


栄作 「いや、ハイじゃなくて。斎藤なんですけど。」
ガス屋「ハイ。それでですね、こちらの用紙を見て頂いて……」
栄作 「……コノヤロ~。頑にスルーだな。」
ガス屋「問題なければこちらにサインをお願いします。」


私はサインする部分に。


サトウじゃなくて斎藤ですっ!!


と書いてやった。
ところが相手は本物の強者で、確認もせずにポケットにしまってしまったのである。私はもう、悔しくて悔しくて何とか反撃できないものかとチャンスを窺っていた。すると最後に。


ガス屋「それでは本日の検針は、私、上本が担当しました。」


と、胸のバッヂをさした。


ココだっ!!


チャンスはココしかない。
私は「ウエモト」を「シモモト」と見間違えてしまったという体で言い放ってやった。


栄作 「は~い、お疲れ様でした。シノノ、ト…ソン。」







……噛んだ。






ガス屋「ハイ。」



惨敗である。