うずうず福ちゃんのうずうずが止まらない。

今回は福ちゃんの小学校五年生から中学校三年生までの『推し活』のお話


福ちゃん、小学生の時髪が長かった。

この頃、福ちゃんの地元では、納豆しばりという、今は玉ねぎヘアと言われる縛り方が流行っていた。


かわいいよねー。

女の子はロングヘア、男の子は刈り上げ、当たり前にみんな同じ。個は認められにくい時代だったのかもしれない。また、個が個々に作られていない,幼い少年少女だったのかもしれん。


流行は誰が生み出すのだ?日々、思ふ。


福ちゃんの推し活の話に戻ります。

ミニバスケット部の練習が終わり,家で何気なくコロッケを食べながら家族と夕飯を食す。ミュージックステーションを見ていたよ。デビューしたての二人組ユニットに目を奪われる福ちゃん。彼らは、クネクネ踊りながら新聞紙が高く舞うステージ(今思うと、なんで新聞紙?)でシャウトしていた。人前でクネクネと踊り、顔をクシャクシャにして、誰に気を使うわけもなく、自由に見えた。最後は、また割をかまして、中国雑技団さながらfinish!

かっちょいい!え?え?え?ドキ,ドキドキ、え?

ド、ドド、ド、ド。

寺の小坊主が鐘を乱れ打ちしてるかのように、福ちゃんの心臓は高鳴った。

福ちゃんの、推し活の幕開けや!

父様の部屋に飛んで行き、国語辞典で「b’z」を調べたよ。b’z、b’zなんて読むんだ。父様に聞いた!

父様,沈黙…。そして外国人のような発音で

『ビィーズィ』

福ちゃん「は?」

父様は英語教師だった。

次の日から福ちゃん、努力した

町で唯一の商店に行って貯めたお小遣いを散財し、ビーズの雑誌、キーホルダー、CD、DVD,ポスターを買った。軍手をはめて雑誌のビーズを切り取ってノートに貼り付けた。この作業が後にハサミ使いが上手くなり、美容師になったのかなとも思ふ。毎日2時間、歌詞を考えながら目を瞑ってCDプレイヤーで聞く。感想を(誰も聞いとらんがな)ノートに書き込む。毎日,毎日。晴れた日は、家のうしろの土手でシャウトの練習に明け暮れる。

ビーズが羽根のネックレスを着けてた。福ちゃんも庭で落ちてた羽を拾ってきて母様に糸くくりつけてもらい、休みの日だけ着ける約束で首からぶら下げた。そんな多忙な毎日を過ごしていた時、福ちゃん、ビーズのレコード会社にデモテープ送ろうと決めた。録音するのは初めてだから相手にもわかるように自己紹介も加えた

『地方からきました。福ちゃんと周りは言います。今日は一生懸命歌います』

のど自慢か?

歌った。一生懸命歌った。アレンジにも挑戦した。

歌い切った!明日、母様にデモテープ出すために

郵便局に連れてってもらおう。

そうだ!一度も自分の声聞いた事ないし聞いてみるか。


何なん。福ちゃん、音痴だった。その日,ご飯食べれないくらい人生,初挫折を学んだ。

結果はどうであれ,福ちゃんの五年間はB'zに没頭して,その上努力した。努力しても報われなかったかもしれないけど、無駄では一切なかった。毎日が充実して毎日が幸せだったのだから、ブラボー

昔,100歳のおばあちゃんが言ってたな

『あの世に持っていけるのは、経験だけ』

福ちゃん、不安な事はひとつだけ。

あのデモテープ,どこいった?

見つかりませんように

ビーズってすごいな。