《家庭用食用油の成分比較》100g当たりg 数(概略中心値)

食用油
不飽和脂肪酸(常温で液体の脂肪)(注4)
飽和脂肪酸(注5) 
リノール酸 
オレイン酸
α-リノレン酸
(常温で固体の脂肪)
オメガ6系
(多価)
オメガ9系 
(単価)
オメガ3系
(多価)
バルミチン酸
ステアリン酸

紅花油 (注1)

72
13
0
8

コーン油

47
33
1
12

大豆油

50
23
7
15

ナタネ油

21
55
10
6

ひまわり油(注2)

70
17
0.5
10

オリーブ油

10
71
1
10

グレープシードオイル

65
18
1
10

健康エコナ(注3)

50(52~21)
40(24~59)
8(7~11)
12

ごま油

45
40
0
15

亜麻仁油 (参考)

13
20
57
8

バター (参考)

5
25

.

35

注1 : 紅花油の中には、品種改良された高オレイン酸の紅花油(ハイオレイック種)がある、オリーブ油の成分に近い
注2 : 品種改良されたハイオレイックひまわり油はオイレン酸が80%と多くなっている
注3 : 揚物、炒め、ドレッシング用で比率が異なる
注4 : 不飽和脂肪酸は、ほかの分子や原子と比較的結合しやすい性質を持っており、結合する部分が1つのものを「単価不飽和脂肪酸」といい、2つ以上結合するものは「多価不飽和脂肪酸」という
注5 : 肉の脂やバターなど、動物性の脂に多く含まれ、血中のコレステロール値を上げる作用がありますがコレステロールからはビタミンやホルモンが合成されるので適量は必要です

 

(リノール酸の特徴)

  • 植物性脂肪のオメガ6系脂肪酸のなかでも代表的な多価不飽和脂肪酸で、人間の体内では合成することができないため、食品からとる必要のある必須脂肪酸です、コレステロール値を下げる作用などがあるといわれてきましたが、効果のほどは疑問視されています。リノール酸が不足すると、エネルギーの生産能力が低下したり、皮膚や臓器の健康に支障をきたすようになってしまいますが、リノール酸の摂取量の目安は1日1~2gで、ご飯を2杯半も食べれば十分にまかなえます (ごく普通に食べる食べ物から十分とれます)。むしろ普通の食生活では必要量の10倍以上のリノール酸を摂取しているとされ害の方が問題になっているのです。
  • ガンを促進する油はリノール酸系の油です !
  • リノール酸は多価不飽和脂肪酸なので、酸化されやすく、体内でも過酸化脂質の有害物質をつくってしまいます、過酸化脂質が細胞を壊すとき、発ガン物質が近くにあれば、ガンさえも誘発しかねないのです。日本で増えている欧米型のがんのほとんど(肺がんや乳がん、大腸がん、前立腺がん)はリノール酸によって促進されることがわかっています。
  • 体内でリノール酸からアラキドン酸が合成されます、神経/免疫/生殖/情報系などの機能にかかわっていますが、これが過剰になると有害性を発揮するとみられています、アレルギー症状を強める作用があり、アトピー性皮膚炎、花粉症などの慢性疾患の症状を悪化させてしまうのです。 又血小板が凝縮されやすくなるといわれ、血栓をつくって血管を詰まらせてしまうのです、これが心臓の筋肉に血液を送る冠状動脈で起これば狭心症や心筋梗塞になり、脳の動脈で起これば脳梗塞の引き金になりかねません。リノール酸は、摂りすぎると善玉といわれるHDLコレステロールまでも減らしてしまうことがわかりました。
  • リノール酸系の油脂はマーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、ファーストフード、フライ、ツナの缶詰、スナック菓子などで多用されていますから知らず知らずに大量に摂取しています。特に天ぷら油はリノール酸の含有量が多いものが多く(オレイン酸などを添加して調整してあるものもありますが)、たとえ素材が野菜であっても食べる量は控え目を心がけたほうがいいのです、 特に外食での油ものは要注意です!
  • 野菜がいいからといって、野菜に市販のドレッシングや、マヨネーズ をやたらとかけ過ぎることはお勧めできません、自家製ドレッシングを工夫しましょう。
  • 10数年前頃にはリノール酸は健康によいという神話が生まれ、特に紅花油は進物用などとして高価で売られていましたが、食用油の中でリノール酸が際立って多いので避けた方が無難と言えます。  近年の天ぷら油はリノール酸に水素を添加してオレイン酸を増やしているものがあります、又育種の段階で遺伝子組換えでオレイン酸含有率を増やしているのもあります、品種改良された高オレイン酸のハイオレイック紅花油やハイオレイックひまわり油もあります。

(オレイン酸の特徴)

  • 植物性脂肪のオメガ9系脂肪酸のなかでも代表的な単価不飽和脂肪酸です。
  • オレイン酸の発ガン性では中立の油です !
  • オリーブ油の70%を占める主要成分はオレイン酸です、体に良い植物油といわれる所以です。
  • オレイン酸の働きは
    1.HDL(善玉)コレステロールは下げずに、動脈硬化予防の最大の条件であるLDL(悪玉)コレステロールだけを減らします。
    2.酸化されにくく、発がんのリスクを高める過酸化脂質の発生を下げます。
    3.余分なLDL(悪玉)が活性酸素によって酸化される心配も減ります。
  • リノール酸の摂取量は減らし、料理には炒め物も含めてオリーブ油を使うと良いでしょう。
  • オリーブ油の種類で「バージンオイル」は冷圧法による一番絞りで、加熱されていません、オレイン酸の含有量の多い「エクストラバージン」と表記されたのものが良いでしょう、オリーブ油でも製品によってオレイン酸の量のばらつきがあるようです。
  • オリーブ油も必要以上に摂りすぎるとエネルギーオーバーで肥満の原因になるので注意しましょう、取り過ぎは脳卒中を促進するとも言われています。
  • オリーブ油以外ではなたね油に多く含まれています、近年は品種改良された高オレイン酸の紅花油(ハイオレイック種)もあります、これはオリーブ油の成分と似たものです。品種改良されたハイオレイック種ひまわり油はオイレン酸が80%と多くなっています。

(α-リノレン酸の特徴)

  • 植物性脂肪でオメガ3系脂肪酸の多価不飽和脂肪酸です。
  • オメガ6系のリノール酸、オメガ3系のα-リノレン酸は人間の体内で合成することのでき ない栄養素で必須脂肪酸と呼ばれています。二つの必須脂肪酸は互いに協調してはたらくため、バランスよく摂取しなければ問題が生じます。
    現代の食環境ではリノール酸は十分摂取でき欠乏することはありません、かえって摂取し過 ぎています、逆にオメガ3系のα-リノレン酸が不足しています。
  • ガンを抑制する油はα-リノレン酸系の油です !
  • α-リノレン酸の特徴と役割は
    1) α-リノレン酸は熱、光、酸素に反応しやすく不安定で、加工や保存性が悪い、多くの食用油はオメガ6系のリノール酸かオメガ9系のオレイン酸が多いのはこのためです。
    2)細胞膜の重要な構成要素で、欠乏により丈夫な細胞膜が作られなければ多くの問題が生じます。
    3)脳、神経系の発達や働きに重要な役割を果たしています、α-リノレン酸が欠乏するとDHAが合成できず、ぼけや痴呆にも関与していると考えられています。
    4)心臓病や脳血管病を防ぎます、血中のコレステロールをコントロールしたり血液をさらさらにし、血圧を下げ、心臓病や脳血管病を防ぐ働きがあるといわれています。
    5)アレルギーやガンの発生を押さえます、オメガ3系から合成される物質が免疫機能を万全に働かせるといわれています。
  • 体内でリノール酸からアラキドン酸(前述)が合成され、αリノレン酸からDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が合成されますが、合成には同じ酵素を使うため、αリノレン酸系が十分あればアラキドン酸は過剰に造られることがなことが知られています、そのためリノール酸系とαリノレン酸系との摂取比は「4:1」目標的には「2:1」程度が理想とのことです。
  • DHAとEPAは血小板が凝縮されるのを低下させたり、血中トリグリセライドを下げたりします、DHAの欠乏は脳、神経、網膜、精巣の機能低下を招きます。
  • 油でα-リノレン酸を摂ろうとするよりも、魚から摂り且つリノール酸も減らした方が現実的かも知れません。α-リノレン酸を多く含む海藻を食べる天然魚にはDHAやEPAが多く含まれます、さば、さんま、真いわし、あじ、ぶり、まぐろ、すじこ、うなぎ、さけ、真鯛などがベストです。
  • ナタネ油は脂肪酸の比率がよいので、家庭でのベースとして使えますが、αリノレン酸は熱に弱いので不足してしまいます、主にオレイン酸のような中立の単価不飽和脂肪酸(オリーブオイルなど)を使って、魚を多めに食べるようにすることも一方法です。魚が良いからと、やみくもに食べれば良いものでもありません、あくまでもバランスです。
  • 亜麻仁油はα-リノレン酸を60%近くも含みますので、栄養補助食品的に使うと効果があります。

(トランス脂肪酸 -- 悪玉の脂肪/狂った脂肪酸 -- !! )

「トランス脂肪酸」という言葉は知りませんでした、以下の報告がネットで公開されています、驚きました、要約すると以下のとおりです。

  • 健康より経済が優先された結果、自然界には存在 しない油/トランス脂肪酸を含む食用油が多くなってしまいました。 大手メーカーの食用油は、昔ながらの圧搾法ではなく、多量の化学物 質や水素を用いて抽出され、高温にさらされ有害物が生じます。
  • 不飽和脂肪酸は水素の不飽和な箇所があるために反応しやすく、不安定な脂肪酸であり、老化、酸化しやすく日持ちが悪いため、現代の多くの食用油では、水素が不飽和で足りない箇所に化学的な技術を使い強引に水素をくっつけており(水素添加)、マーガリンなどもこの方法で造られています。
    そしてこういう水素添加(硬化)、部分的水素添加(部分的硬化)の過程で、自然界に存在しない/体には好ましくないトランス脂肪やその他の有害物が生じてきます。
    トランス脂肪酸は脂肪の分子中の炭素と水素の結びつきに変化が生じたものです(炭素の二重結合の場所で炭素と水素の結びつきが正常な結合であるシス結合と異なる)。
  • 酸化、変性しやすいオメガ3系のα-リノレン酸を多量に含む原料は使用できません
  • 脂肪酸以外の栄養物質も破壊され、有害物質が含まれます
  • 現在市販されている大手メーカーのトランス脂肪酸はだいたい1~2.4%ぐらいです
  • トランス 脂肪酸は揚げ物に油を繰り返し使 ったような場合にも生成されますが、トランス脂肪酸をまったく含まない油を、揚物に何回も使って使い古しても、2.4%という値 にはならないそうです、それだけトランス脂肪酸2.4%というデータは危険な数値なのだそうです。
  • 欧米では食用油のトランス脂肪酸含有量の上限値は0.1%で、それを超えるものは販売禁止になり、たとえ超えていなくてもトランス脂肪酸の含有量の表示義務を定めています。しかし残念ながら日本ではまだ、このような基準が定められていません、市販さ れている大手メーカーの安い油はお勧めできません。但し製品によってはトランス脂肪酸の含有量が0.1%以下の油もありますが、表示されていない場合が多く確認しづらいのが現状です。
  • 外食で使用されている食用油は、多くがトランス脂肪2.4%ぐらい含む可能性の高い食用 油です。外食時には油物はできるだけ避けましょう。ファーストフードで使用されている油は、常温で固体の状態まで水素添加した植物油を使っているようで、使用前に熱を加えて融解 しているそうです、トランス脂肪酸が2.4%以上含まれる可能性が高いのでファーストフ ードは避けることが無難です。マヨネーズ、マーガリン、加工食品 (フライドポテト、ポテトチップス、スナック菓子) もトランス脂肪を多く含むものが多いので頻繁に食べるのは問題がありそうです、私たちは自分の健康は自分で守っていくしかありません。
  • 脂肪酸は細胞膜の構成要素になっているものですが、細胞膜の中にトランス脂肪酸が紛れこむと、細胞膜は弱くなり、細胞膜及び細胞の働きを狂わせ、その結果としてさまざまなトラブルを生ずるといわれています。
  • トランス脂肪酸は「ガンの原因」「心臓病の原因」「血圧を上げる」「悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす」「妊娠率を低下させる」「体内でビタミンなどの栄養物質を食い荒らす」など体に悪影響をもたらすことが報告されています。

(各食用油のコメント)

 オリーブ油

  • オレイン酸が多く、リノール酸は少ないので第1のお薦め油です、「バージンオイル」は冷圧法による一番絞りで加熱されていません、オレイン酸の含有量の多い「エクストラバージン」のものが良いでしょう。α-リノレン酸が含まれていないので、魚も一緒に摂ると良いでしょう。
  • オリーブ油はオリーブの実の果肉から絞られます。 実の熟し具合によって、淡黄色から深緑色まで色あいが違います。 独特の芳香があり、精製していないバージンオイルでは特にその芳香が強くなっています。 精製したものは個性が薄くなって他の植物油に近くなっています。 酸化しにくく加熱にも強いのでイタリア料理など幅広く使われます。
  • オリーブ油でも製品によってオレイン酸の量のばらつきがあるようです。
  • トランス脂肪酸量はバージンオイルなら0.1%以下です。

 グレープシードオイル

  • ぶどうの種に含まれている油分を圧搾プレス法で搾ったものです、添加物は有りません、リノール酸が多いのが難点ですが、天然のビタミンEを多く含むので酸化し難く、害は軽減されるようです。
  • ポリフェノールの含有量が多い
  • トランス脂肪酸量は0.1%以下です
  • 摂り過ぎないようにして使い、魚も一緒に多めに摂ると良いでしょう
  • グレープシードオイルは別項で詳しく説明しています
    グレープシードオイルの特徴

 ナタネ油 

  • クセがなくあっさりしているので素材の味を引き出します。 最近はほとんどのナタネ油がカナダで改良された搾油用の品種、キャノーラになりました、大豆油と同様に安定性に劣るのが欠点です。
  • 国産のナタネでキャノーラ種でない古い品種のものは、エルシン酸という有害な脂肪酸が含まれている可能性があり心臓に良くないといわれています。
  • 食用油の中では、最も脂肪酸の比率が理想に近くなっていますので、トランス脂肪酸が少ない製品があればベストです、ネットなど特別ルートで探せばあるようです。
  • 育種の段階で遺伝子組換えしたキャノーラがあり、原料は輸入がほとんどですので使われているかどうかは不明です。

 大豆油 

  • リノール酸が多めです、世界で最も多く生産されている植物油です。安定性に劣り油が古くなった時の匂いが出やすいのが欠点ですが、 わずかな大豆の風味とアッサリ感のバランスが良く、広く使われています。
  • ナタネ油と大豆油を又は紅花油を混合した製品(天ぷら油やサラダオイルなど)も多く出回っています。大豆油は劣化しやすくリノール酸が多めなので、オレイン酸を増やして安定な油を作っているようです。
  • 近年の天ぷら油はリノール酸に水素を添加して、オレイン酸を増やしているものがあります、又育種の段階で遺伝子組換えでオレイン酸含有率を増やしているのもあります、どの方法で増やしているのかは消費者には分りません、原料は輸入がほとんどですので使われているかどうかは不明です。
    元来はオレイン酸が少ないのに、オレイン酸が多い製品はこういったことがなされているからでしょう(善し悪しもよく分りません)、よく成分表をみて確認しましょう。

 紅花油(サフラワー油)

  • リノール酸が最も多いため、摂り過ぎるとガンの心配があるので薦められません。キク科の紅花の種子から採油されます、あっさりしてクセが無い油です。
  • 近年は品種改良された高オレイン酸の紅花油(ハイオレイック種)もあります、圧縮法で絞り、100%一番絞りの油で、トランス脂肪酸含有量が0.1%以下の製品があれば安心です。

 コーン油

  • 加熱に強く、独特のこくと風味があり、保存性も良い、揚物はからっと揚がるなどの特徴があり、ドレッシングやマヨネーズにも使われます。
  • リノール酸が多め(大豆油よりオレイン酸がやや多い)です。
  • 原料は輸入が多いので、遺伝子組換えのものがある可能性があります。

 ひまわり油

  • 普通のひまわり油はリノール酸が65-72%ですが、品種改良されたハイオレイック種ひまわり油はオイレン酸が80%と多くなっています。
  • クセがなく淡泊な風味の油、フランス料理にも使われています
  • ハイオレイック種ひまわり油でトランス脂肪酸含有量が0.1%以下の製品があれば安心です。

 ごま油

  • ごま油には、酸化を防ぐ抗酸化物質(セサミノール)が含まれているので、それ自体が酸化しにくいだけでなく、がんをはじめ生活習慣病の原因となる活性酸素による過酸化脂質の発生を防いでくれます。
  • 極めて安定性が高く熱にも強い性質を持っています。風味と安定性を生かして天ぷらや炒めものに良く使われれる他、中華料理の風味付けにも欠かせません。
  • ごま油はオリーブ油の主成分でもあるオレイン酸が豊富に含まれています、リノール酸も同等に含まれていますが、両方の酸の害は少ないようです。
  • トランス脂肪酸含有量は0.1%以下の製品がほとんどですので安心です。

 亜麻仁油

  • 亜麻の種の油で、 α-リノレン酸を60%近くも含み、オレイン酸を20%、ベータカロチンやビタミンEを豊富 に含み、現在α-リノレン酸を摂取するには最適な油です。
  • ドレッシング用のオイルとして使用したり、そのまま朝晩小さじ 1杯ぐらい飲むと良いようです。
  • α-リノレン酸は熱や光、酸素などによって変性するので、炒め物、揚物には使用は避け、開栓後は冷蔵庫で保存し1か月ぐらいで使い切るようにします。
  • トランス脂肪酸含有量は0.1%以下です
  • 他にα-リノレン酸を多く含む食用油は、エゴマ油、シソ油です。


 
健康エコナ

全く別次元で開発されたユニークな製品なので、少し説明します。

  • 原料が大豆油と菜種油ですので、主体はオレイン酸、リノール酸、リノレン酸です。
  • エコナクッキングオイルの脂質主成分はジアシルグリセロール(DG)で、通常の油はトリアシルグリセロール=中性脂肪 (TG)です。
  • 油の成分であるTGは、グリセリンに脂肪酸が3つ結合したものです、これは 消化の際に酵素によって分解され、小腸に吸収されます。吸収された油は、再び TGとなって油として再合成されます、全身に運ばれ、血中の中性脂肪や体の脂肪となります、また 再びエネルギーとなったりもします。
  • 一方DGは、グリセリンに脂肪酸が2つ結合したものです。消化の際に酵素によって分解され、小腸に吸収される過程まではTGと同じですが、DGの多くは分解され、油として再合成されません、この分解されたものは 肝臓に運ばれ、燃えてしまいます。
    そのため、コレステロールや中性脂肪の吸収が1/2になると宣伝されています、コレステロールや中性脂肪が高めの方におすすめで、コレステロール値が正常な人の値が下がることはありません。
  • 天ぷら/揚物用、炒め用、ドレッシング用で配合を変えているので、成分をよく確認して使いましょう、天ぷら用には乳化剤やビタミンEが添加されているようです、乳化剤入り油は衣などに油が多く吸収されるようです。
  • しかしトランス脂肪酸がかなり多く含まれるとのデーターが下記にあります。
    (http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/06/txt/s0616-1.txt 薬事食品衛生審議会)

 

 参考

  • サラダオイルという範疇は冷却して0℃で沈殿物が出ないかどうかだけなので、比較の対象ではありません。
  • 一番絞りというのは普通、最初に圧縮法で絞り、残りを粕にする前に抽出法で抽出する、前者を一番絞り、後者を二番絞りという。両者をブレンドして、値段を適当にしている油もあります。
  • 油1グラムのカロリーはどの食用油も同じで約9kcal/gです、良い油でも摂りすぎないようにしましょう。
  • 食用油の価格比較 (100gあたりの価格-円)
    一般のサラダ油 : 20-35
    エコナ揚げ油(乳化剤入)、その他の健康油(自称) : 70-100
    オリーブ油(エクストラバージン) : 90-250
    グレープシードオイル : 70-200
    ごま油 : 100-250
    亜麻仁油 : 600
    しそ油 : 550
    健康食品/有機栽培食品/高機能性樹脂 : 120-170
    --ナタネ油、紅花油(ハイオレイック種/一番絞り)主体で、オイレン酸リッジで、トランス脂肪酸含有量は0.1%以下のもの--

(ワインとの相性はどうか)

  • 油はワインとの相性を良くする調味料であるので、なにを使っても合いますが、微妙に相性は変わります。
  • シャルドネ種は特に油との相性が抜群で、天ぷら、揚物、炒めものにはワインが欠かせません。
  • サラダオイルで揚げると白ワインと相性が特に良い、健康を考えればオリーブオイルを使用することがよいのですが、臭いや揚がり具合が気になる場合、オリーブオイルとサラダ油(ナタネ油などが良い)をミックスするとよりカラット揚がるようです。オリーブオイルは相性がやや赤寄りになりますが、やや重めの白ワインもよいでしょう。
  • オリーブオイルは赤白とも相性がよく、やや赤側のもの。使用する油により白側から赤側へ、グレープシードオイル、サラダオイル、オリーブオイル、バター、ラード、ヘッドの順に移動します。ミックスすると更に細かく相性が移動します。
  • グレープシードオイルは軽く、素材との相性を考えた方が正解かも知れません。
  • 天ぷらや揚物の場合、オレイン酸の多いオリーブオイルとリノール酸の多いグレープシードオイルを1:1でミックスするとカラット揚がり、ワインとの相性の巾が広がります。

     

(お薦めの油はあるのか?)

以上述べたように油の種類は多く、選択は難題です、どのように油と付合えばよいのか私なりに纏めてみました、参考にして下さい。

  • 揚物、炒め物には今のところオリーブオイルを使うことをお薦めします(エクストラバージンがお薦め)、天ぷらで食感を改善する目的でミックスする場合はグレープシードオイル、ナタネ油が候補、但し摂りすぎは厳禁です、α-リノレン酸が含まれていても、熱で破壊されてしまうので、魚も一緒に摂ると良いでしょう。
  • ドレッシングには脂肪酸比率を良くした自家製ドレッシングを作るか(亜麻仁油、オリーブオイル、ナタネ油が候補)、ノンオイルドレッシングを使うことをお薦めします、料理によりオリーブオイルをかけるのは問題ありません。
  • グレープシードオイルはリノール酸が多いので、オリーブオイルとミックスするとか、摂り過ぎないようにして使うこと、α-リノレン酸が含まれていないので、魚も一緒に多めに摂ると良いでしょう。
  • ごま油は風味と安定性を生かして炒めものに、風味付けに使うとよい、比較的安心な油です。
  • その他大手メーカーの市販の安い油は極力避けたほうがよいようですが、健康をうたった新商品が多く出回っています、よく内容を吟味して購入しましょう、特に害のあるリノール酸量とトランス脂肪酸量、利のあるα-リノレン酸量を確認することが重要です。
    近年の天ぷら油などはリノール酸に水素を添加して、オレイン酸を増やしているものがあります、又育種の段階で遺伝子組換えでオレイン酸含有率を増やしているのもあります、どの方法で増やしているのかは消費者には分りません、その善し悪しもよく分りません。
    ナタネ油(キャノーラ種)、大豆油、
    コーン油の原料の大部分は輸入品で、遺伝子組換えのものが含まれている可能性があります。
    最近の新製品では成分表示があるものをよく見かけますが、都合の良い部分のみ表示しているので注意しましょう、トランス脂肪酸まで表示しているものは見たことがありません。
  • 外食、市販弁当やスナック菓子では油ものを極力避けることが賢明です。
  • 食用油として摂るリノール酸はできるかぎり減らす必要があります、いろいろな脂肪をバランスよくとることが大切で (リノール酸系とαリノレン酸系との摂取比は「4:1」目標的には「2:1」程度がよいと言われています)、そのためには肉の脂も控えて、魚を積極的に食べるようにする必要があります。 α-リノレン酸を多く含む海藻を食べる天然魚にはオメガ3系のDHAやEPAが多く含まれま す、魚ではさば、さんま、真いわし、あじ、ぶり、まぐろ、すじこ、うなぎ、さけ、真鯛などがよいでしょう。
  • ナタネ油は単独でなら脂肪酸の比率がベストなので、家庭でのベースとして使えますが、αリノレン酸は熱に弱いので不足してしまいます、それと製品のトランス脂肪酸量が分りません。主にオレイン酸のような中立の一価不飽和脂肪酸(オリーブオイル)を使って、せいぜい魚を多めに食べるようにするのが現状では良いのです。
    魚屋さんの店頭で魚♪魚♪魚♪---頭♪頭♪頭♪頭が良くなる♪の歌がテープで流れていますよね。
  • トランス脂肪酸量は個人では、現在のところ確認のしようがありません、単純にはオリーブオイル、グレープシードオイル、ごま油、亜麻仁油の中から組み合わせれば安全です。
  • 健康食品/有機栽培食品/高機能性樹脂の中から探せば、ナタネ油、紅花油(ハイオレイック種/一番絞り)主体で、オイレン酸リッジで、トランス脂肪酸含有量は0.1%以下のものがあるようですので、自分でよく調査し、納得して購入するようにしましょう。
  • ビタミンEとB2を十分にとることで、過酸化脂質を減らす効果があります、ビタミンEは、体の中で不飽和脂肪酸と結びついて酸化を防ぎ、過酸化脂質ができるのを防止すると考えられています。
    一方、ビタミンB2には、いったんできた過酸化資質を壊す働きがあります、その上ビタミンB2は、肝臓の脂肪を分解するのに不可欠な成分でもあります。
  • 私たちは自分の健康は自分で守っていくしかありません。