今日も早々と一日が始まろうとしている。石垣島も秋のおとずれか、昼間こそ焼けるほど暑いものの朝晩はほのかに涼しげな南風が肌をかすめ吹いている。

さて本題だが、現在の職場こそ人間環境が善いものだが、以前勤めたI島での農園では目を疑うほどに悪の強い意地悪な先輩と仕事を共にしていた。私は重いどもりだ。子供のころにある芸能人の物まねをしてからどもるようになった。どもり(吃音)を知らないかたの方が大いに違いないが、それは一因であっておそらく遺伝的要因、家庭的要因、環境的要因など他にも関連しているだろう。どもりを語れば長くなるので。

その農園の先輩は私のどもりに対して徹底的に攻撃した。30にもなってどもることに対して「やる気がないんだ!」とか「君のせいでみんなが迷惑してるんだ!」などと怒鳴られ、私から話せばどもる限り一切無視である。さらに経営者夫婦が学会員であり、「お前には信念がないんだ!」とかいって強制的に聖教新聞をとらされ、毎日感想を話せと言わんばかりに言わなければならなかった。

辞めるしかなかった。今までの人生でこんなにも野蛮的な職場環境があったものかと東京からI島にきて愕然としてしまった。もう一つ土木に転職すると、どもりは前の農園よりは大目に対応してもらったものの一人一人のクセが強く、従業員同士の喧嘩(しかも40、50代)が後を絶たず、何をやっても怒鳴られるのである。仕事自体は勉強になるが、これではなんのやりがいも感じず辞めるしかなかった。

私の実家はI島の10世帯ほどしかない小さな部落にある。そこはすべての住民が公民館長はじめとする役員に座らされる。まともに字も書けない人でも監事など役員に座らされる。がしかし、どもりであるということで私だけは役員に充てられることはなかった。理由はどもりでコミュニケーションがうまくとれないからだそうだ。

私は悩みに悩み、役員などには一切ならないと心に決めた。そんな無知な人たちの中では例え役員になったとしても苦労するだけだと確信した。と同時にこの部落での永住は困難であることを意味し、今は別の移住先を検討中だ。


※私と似たような境遇にあった方がいれば体験談などお願いできれば幸いです。