切除のがん組織保管、再発時の治療用試料に活用 | 医学部挑戦記 & 医療・Science情報

切除のがん組織保管、再発時の治療用試料に活用

 手術で切除したがん組織を保管する「プライベートがんバンク」を、東大発のベンチャー企業が始めた。  患者のがんが再発した場合、最先端治療を行うための試料に生かすなど、がん治療の可能性を広げる試みとして注目される。このベンチャー企業は東大医科学研究所の研究者らが設立した「テラ」(東京・港区、矢崎雄一郎社長)。同社は「細胞免疫療法」と呼ばれる新しいがん治療に取り組んでおり、それにがん組織が必要になる。  患者の免疫細胞の一部を体外に取り出し、がん組織を取り込ませてその特徴を記憶させる。体内に戻すとがん細胞を活発に攻撃する。また、がん組織は、新薬の患者への効果を診断する試料にも使える。  「プライベートがんバンク」は、手術前に患者が同社に依頼すると、病院に出向いた社員が、がん組織を受け取り、保管する。最初の1年間は無料、2年目以降は年間3万1500円かかる。細胞免疫療法は健康保険がきかないため、同社が作った専門クリニックで受ける。テラと提携した東京・杉並区の河北総合病院では、手術前に医師が患者にバンクの説明を行っている。