拓海「退屈だな。一馬、なんか依頼は来てないかな」


一馬「例の事件以来ないよ。ただこの間、マリアンヌと囲碁をしたよ。勝とうと無理やり奥の手を差したが、結局負けた。無理もない、彼女セミプロやねん。それ以後やられっぱなしさ」


拓海「お前さあ、さっきからダジャレかましてないか?」


一馬「えっ、とんでもない、かましているよ」


二人が漫才もどきのやりとりをしていると、スタイルのいい女がやってきた。彼女はパリジェンヌで、拓海たちの助手をしながら一年かけて囲碁を勉強しているのだった


「ちわ、仕事にきたよ。一馬、依頼はないの?」とマリアンヌが声をかけた


一馬「ったくもう、拓海と同じだ。ないよ!」


マリアンヌは髪をサラッとはねのけながら、形のいい唇を動かした


「あら、そう。困ったわね〜。でもここへ来るときにちょっとした騒ぎがあってね、ほら近所の葵ちゃんとこの旦那さんが蒸発したらしいわよ」


拓海「旦那のいつもの都市伝説や。そんなんで、遭難せんからな」


一馬「お前こそ、ダジャレかましてるやないか」


マリアンヌ「まぁまぁ、二人ともケンカしないの!続き聞きたくないの?」


拓海、一馬「聞きたい!」


マリアンヌ「あのね、女を作って消えたらしいの。それで、つまるところ仕事の依頼をお願いされたの」


一馬「やったあ〜。拓海、腕ならそうぜ。どっから始める?」


拓海「そうさな、まずは葵ちゃんに会って事情を訊こうか」


マリアンヌ「彼女、落ちこんでるわ。私もついていっていい?」


一馬「きみは助手だし、事務所で対応などを頼むよ」


マリアンヌ「Oui」


[後編に続く]






◾️憩いの準動画


TKM





◾️出典:いらすとや





◾️お楽しみいただきまして、ありがとうございました。次回作は暇がかかるかもしれません