「実は・・・芦ノ湖の事なんですが・・・」
「ほう、芦ノ湖とな?」
「ここに駿豆の遊覧船が運航しているのですが・・・
元箱根を拠点にしています。
元箱根を拠点にしています。
このままでは、箱根町が寂れてしまう為、仙石原町と箱根観光を立ち上げる予定です。
そこで私達は箱根観光にテコ入れをしようと思っています。
しかし、箱根町は人も少なく元箱根は観光地番もあります」
「ふ~む、で?どんな戦略を立てているのかな?」
「先ずは駿豆と同じく観光船の運航を考えています」
「人が少ないのに観光船なぞ運航しても儲からんだろう?」
「はい。ですからどうしようかと知恵を頂きたいのです」
「運航の許可等はどうなっているんだ?」
「安全面では関東海運局。
許可は神奈川県に申請致します。
只、専属の弁護士に依ると桟橋は国指定の公園内は厚生大臣の許可が必要になるとの事でございます」
許可は神奈川県に申請致します。
只、専属の弁護士に依ると桟橋は国指定の公園内は厚生大臣の許可が必要になるとの事でございます」
「まぁ、戦後で間もないじゃろうから法整備もごちゃごちゃじゃな」
「はい。許可に関しましても一筋縄では行かない様で・・・」
「安藤君の話を聞いたが、このまま観光船なぞ運航しても只のジリ貧になるだけじゃろう?
桟橋は何処に?」
桟橋は何処に?」
「箱根町側になるでしょう」
「元箱根にも建てたらどうだ?」
「え゛っ!
そっそれには許可が要ります。
第一、駿豆側が黙っていないと思われますが・・・」
そっそれには許可が要ります。
第一、駿豆側が黙っていないと思われますが・・・」
「安藤君。許可は神奈川県、桟橋は厚生云々何て知っていたか?」
「いえ、弁護士に聞くまでは・・・」
「そうじゃろう!俺だって知らなかった。
大体何で認可に複数の許可が要るんじゃ?
大体何で認可に複数の許可が要るんじゃ?
これは大方官僚共の縄張り争いの結果じゃろう。
じゃから厚生云々は無視しても良い」
じゃから厚生云々は無視しても良い」
「そっ、それでは我々側に逮捕者が出るやも知れません」
「泥棒でもしていないのに誰が捕まるんじゃ?
神奈川県に申請するんじゃろう?
神奈川県に申請するんじゃろう?
後は・・・何か言って来た時には『厚生云々は知らなかった』とか『許可が下りた。下りたものだと思っていた』とか言い訳は色々あるじゃろう?」
安藤は流石に蒼白になった。
同席していた大川も只、黙りくるだけだった。
同席していた大川も只、黙りくるだけだった。
「しかし、又裁判沙汰になりますが・・・」
「おいおい、安藤君。
堤君の焼跡に、片っ端から『堤康次郎所有地』の話を聞いておるか?」
堤君の焼跡に、片っ端から『堤康次郎所有地』の話を聞いておるか?」
「はい、一応は・・・」
「其方はそんなのを相手にしておるんだぞ!
裁判?今始まった事では無いではないか!
裁判?今始まった事では無いではないか!
して、裁判は始まったら次の日にでも判決が出るのかな?」
「いえ・・・長い期間が・・・」
「じゃろう!
だから、出る前に駿豆のテリトリーを取って取って取りまくっておくのだ!
だから、出る前に駿豆のテリトリーを取って取って取りまくっておくのだ!
取ってある物は強い!」
「成程、既成事実も作っておく訳で・・・」
「そうだ!
だが、それ等を一遍にやるなよ。
順番にな!」
だが、それ等を一遍にやるなよ。
順番にな!」
「ハッ」
安藤の帰宅は大川が見送った。
「安藤さん、今日は勉強になりました」
「私もです。
しかし・・・
しかし・・・
五島さんと同じ側で良かった。
勝てる訳が無いからな!」
勝てる訳が無いからな!」
(次回は第一次伊豆・箱根戦争⑤(芦ノ湖戦争実践)です)