民鉄の覇者 東京急行電鉄 45、第一次伊豆・箱根戦争③(談合) | 犬と楽器と鉄道模型

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犬(秋田犬)と景色と鉄道模型だったのですが、景色は現在親の面倒を観ている為、出かけられないので、犬と楽器(エレクトーン)と鉄道模型+et ceteraに変更いたしました。宜しくお願いします。

西武の堤と対立した安藤は、五島邸へ赴いた。
 
「おぉっ安藤君、久しぶりじゃな!」
 
「ご無沙汰しております」
 
「話しは聞いておる。
して、どうじゃな? 堤君は?」
 
 
「いやはや・・・噂以上に阿漕な人の様で・・・」
 
「ハハハッ、じゃろうな。
そこでだ! 今回の事は堤君と仲直りはどうであろう?
今なら波風立てずに丸く収まると俺は思うのだが・・・」
 
「手打ちは私も望む所です。
私も事は荒立てたくありませんから・・・
しかし、40-40とはならないでしょう。
 
今回の件で、堤さんの為人を観ました。
講和に際し、箱根は尽く堤さんの思惑通りの事を要求されるでしょう。
そうなりますと今後は私のみならず、小田急が侮られ続ける事になります」
 
意外と早く安藤が真意を語った事で、五島は安堵した。
折角、手を貸しても勝手に講和等されたら・・・
梯子を外されたら堪らない。
 
五島は安藤の決意を確認したのである。
これを聞き、五島は戦後台頭して来た西武鉄道との箱根争奪戦に打って出る。
 
「安藤君の決意は判った。
しかし、俺は当分は表に立てないぞ!」
 
「例の戦犯疑惑でしょうか?」
 
「そうじゃ!
一応、俺は謹慎と言うになっておる。
それが安藤君に手を貸した等と言う事が運輸省の奴等に知れてみよ!
(五島さん、又やりましたの~)等とニヤニヤされ、疑惑も公職追放も解けぬ事になるわ!」
 
「ハハハッ、御尤も、仰る通りで・・・」
 
「俺の疑惑もそう長くない時期に解けるとの情報があった。
どうだ! それまでの間堤君に対峙出来るかな?」
 
「実は御相談に伺いしましたのは・・・
堤さんに仕掛けられ、その都度それに対処していたのでは、先手先手で攻められて防戦一方になってしまいます。
それで・・・今日は五島さんに喧嘩の仕方を教わりに来ました。」
 
この安藤の返答に五島は笑った。
 
 
「そうか! では詳しく話を聞こうか・・・」
 
しかし、この談合が更に火に油を注ぐ結果となった。
そして・・・これからが泥沼の戦いになってゆくのであった。
 
 
(次回は第一次伊豆・箱根戦争④(芦ノ湖戦争)です)