修復ということ
美しさに変わるとき
長い時間を経た
アンティークたち
ここまでの時間を
押し付けることも
主張し過ぎることも
なくここにくる
その奥にある美しさが
隠し切れてないのは
すぐわかるから
ここでは
自由で
いいよ
と
置く
触れると
崩れそうで
崩れていた子も
いたけど
そのどれもを
受け入れて
立っている
その日あったことを
隅から隅まで話す子供のように
木のフレームは
ここぞとばかりに
伝えてくる
小さな傷や欠けやシミ
色褪せや剥がれ
パティナ 匂い
いろいろなこと
聞いて聞いてと
言うように
ヒトでは
追えない時間の日々を
たくさん持ってきてくれる
でも全部聞くのは修復のとき
じゃないと時間が足りないから
少しだけ聞いて
修復のときに
触れながら
ひとつひとつから
聞きながら
こっちが
気づいてあげたり
一緒に
アタラシイことに気付いたり
感覚の世界は
境がいらないから
とても素敵な
時間の旅をしながらの時間
今回のなかに
ボールチェアという
小さな椅子がいた
この子は
バラバラのまま届く
最初受け取ったときは
椅子も
もういいよって
言ってる様に見えて
少し切ない気持ちに
なったのを
覚えてる
ここへ来た時
無いパーツが無かったから
組み上げてみると
あっさりカタチになった
椅子は
いいって言ったのに
みたいな顔をして
ちょっと照れ臭そうに
立った
そっと黄色いお花をすぐ
添えてあげたら
嬉しそうだった
ホールチェアは
玄関に置くための椅子
座るというよりは
インテリアや
何かを置くためのもの
だと言われている
そのせいか
ヒトが触れるときは
移動するときだから
ヒトを見ていた椅子
だから少し諦めているのか
人を見ているからか
使って使ってというよりは
大丈夫だよ
と
少し引いた気持ちに感じた
修復に入ると
触れる構造では
やはり無く
上からの負荷にも制限がある
座面だったり
背もたれと脚との連結が
簡易で
脚という物に
背もたれの飾りをつけた様な
造り
独立しては
触れない
でも
少しでも
短い時間でも
ヒトが腰かけて
あげたら
きっと嬉しいだろうなと
思い
座面の底に補強と
背もたれと脚の接続部分を強化して
修復
強くは寄りかかれないけど
壁に背をつけた
この子は普通に座れる
最後にホールチェアと
会話をしながら
ワックスをかけると
下向き加減だった
ホールチェアが
いい顔をして
こっちを見てくれた
気がした
気持ちが素敵になると
美しくなる
長い時間のなかで
ヒトもモノも時間も
それに慣れてしまうことも
あるから
一つでも
少しでも
美しくなって
ずっと昔と今と
この先を繋げるように
修復
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