中学入試から1ヶ月が経ちました。 感覚としては、「まだ1ヶ月」。
受験期の1ヶ月はあっという間だったのに、この1ヶ月は久しぶりに長く、受験生であったことが遠い昔のように感じます。
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我が家は塾なしで中学入試に挑みました。
最初から塾なしと決めていたのではなく、途中何度も迷っていました。
最終的に腹をくくったのは、新六年生になった頃。
本人の言葉が決め手でした。
「自分の力でやってみたい」
「塾なしってかっこいいと思う」
何となく親子二人でやってきた中で、いつの間にか娘が塾なしに誇りを持っていたことに、当時とても驚きました。
この時「自分の力」と言った娘みーちゃんですが、全く自走ではありません。
マイペースで楽観的な受験生と、心配性で過保護な母による「完全伴走」の中学受験でした。
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塾なしのメリットととして、経済面は言わずもがな。
それから、送迎や塾弁作りの負担がなかったこと。
でもそれらを超える、私の中で圧倒的なメリットがありました。
「毎日、家族一緒に食卓を囲えたこと。」
これは私にとって、何にも代えがたいものでした。
もちろんデメリットもあります。
まず、孤独。
成績や受験校について詳細に相談できる人がいなかったので、行き詰まったときに大変でした。
一番困ったのは、6年生の秋。
公開模試は(志望校に対して)良好なのに、何度やっても過去問が壊滅的だった時。
このまま突き進んでよいものか、本当に悩んだし、何をすればいいのか分からなくなりました。
この時誰かに相談できれば、親子とも、もっと楽にゴールにたどり着けたのかも知れません。
また当初は子どもの成長を隣で見れるのが良いと思っていたけれど、良い面と同じぐらい、イヤな面、弱い面にも直面しました。
綺麗事だけではない、ここには書けない地獄も見ました。
「親が言ってもきかないけど友だちや先生の一言が刺さる」というような機会が得がたく、切り替えが難しかったのもあります。
親子なので、互いに甘えもあったと思います。互いに…
ただ、これについては、通塾していてもさほど変わらなかったような気もします。
そして何より、結果を自分だけで背負う怖さ。
もし失敗したら、100%私の責任。
それ見たことかと後ろ指を指されるんじゃないかという不安も、私の奥深くにはありました。
でも合格した時、「塾のおかげ」ではなく、まるまま自分たちの歩んだ道が評価された、その喜びはひとしおでした。
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そんな私たちの受験に名前をつけるとしたら、「手作り受験」だと思いました。
毎日のスケジュールも、使う教科書・問題集も、どこまでやるかも、受ける模試も、手探りしながら自分たちで選んだ、不格好だし遠回りだけど、その分思いの詰まった受験生活でした。
入試の2ヶ月ほど前、みーちゃんからリクエストされて、カウントダウンカレンダーを作ったんです。
「〇〇中入試まであと●日」
その空白部分に、毎日1題ずつ、みーちゃんに達成してほしい課題を手書きで添えました。
やりたい問題はたくさんあるけど、迷って悩んで一生懸命選んで、手書きの不格好な文字や図を入れていく。
なんだかすごい手作り感だな…と思ったとき、でも、それが私たちの受験の象徴のような気がしました。
受験が終わって片付けをしているとき、お世話になった大量の教材に別れを告げる中、「これは置いとくわ」と、みーちゃんがそっと除けてくれました。