6.4.23…「虎と翼」⑤

続きを書くその前に。

朝ドラの場面から……法曹界における男女差別が語られていました。

私が仕事していた職場でも、離婚に至る2000年から遡ること20年前の頃、漸く女性の管理職への登用が叫ばれ、初めての「女性課長」が誕生しました。

その課長が私と同じ職場(他の課)に配属されて来ました。

その時の、課長は、後進のためにと家庭を持つ中で、頑張っていました。

ある日、その課長と話した時のことてすが、「○○さん、男性は少々仕事が遅れても何も言われない。女性が遅れたら、ヤッパリ女だからと言われる。判断力を問われるのよ！だから、頑張らなくちゃね！」と。

その時に思ったことは、「男女の能力の差」というより、それ迄「そういう場を与えられて来なかった。経験させて貰えなかった」という要因もあったのでは無いか⁉️それを、女だからという短絡的な思考に対し、少し腹が立ったことを思い出します。

確かに、生まれ持った性差があります。又、長い歴史の中で、その特質を生かして暮らして来ました。そして、互いに都合よく働き、暗黙の中でそうあるべきという規範的なものが、出来上がってしまったのだろうか？

これは私の個人的感覚的な捉え方であり、学んだものではありません。

そんな先輩たちの努力もあって、今は当たり前に管理職も増えて来た様です。しかし、この問題は、別の面でもまだまだ根強い問題も残っていると感じます。

更に、今は、多様性の時代という問題もあり、世の中は常に変化していくのですね。

国や地域が違い、宗教や文化も違う、政治的な思惑など。

常に動いていき、人の心・思考も変わっていく世の中です。

そんな時に、「法」ということ。

考えさせられます。

大分、逸れてしまいました。

では、続きの元へ戻します。

十一月にその金額が入金されたのでした。その分、月々の生活が少し楽になりました。

しかし、離婚に伴うマンションの名義書換の手続きを私にしろ言うのです。少々理不尽でしたが、文句を言うのも嫌でしたので、私がすることにしたのです。

私の職場は合同庁舎の中にありました。同じ建物の中に法務局が入っていました。

そして、私の職場がその合同庁舎の管理庁で、その業務を私は担当していました。幸いでした。

マンション名義書換の事務処理について、存じている方に関連部署へ紹介していただきました。

担当部署の方に智恵を貸していただけたのです。

税理士の手を借りることもなく、自分で全部書類を作成して手続きでき、法廷費用の印紙代のみで済んだのです。

このように、お知恵を貸して下さる方に出会えて不思議です。

同じ職員でも、それ程親切でない方も中にはおりますから、仏様に護っていただけたのでしょう。

感謝したのでした。

彼との昭和四十七年から平成八年迄の足掛け二十五年を振り返ると、もしかしたら、彼くらい私の本質をよく見抜いていた人はいないかもしれません。

その彼の心を知らず背を向けて、過剰に反応していったのは、むしろ私だったようにも、今顧みると思えます。

でも、過去は帰らないし変えられませんが、今というこの刻は、その過去という時の上にあるのです。

これからはその過去を見据えて、糧としていくことができるでしょう。

許してください。子供たちへ、ごめんなさい。そして、みんなみんなありがとう！

『法華経を信ずる人は冬のごとし、冬は必ず春となる。いまだ昔よりきかずみず、冬の秋とかへれる事を』　

『日蓮大聖人御書（八三二頁）』

生きていてよかった。生かしていただいたことを、生かしていただいていることを、父と母に感謝します。大きな大きなお力、大いなる理(ことわり)に、大御本尊様に感謝いたします。

長男は、私と彼の生活の破綻の原因が、昔所属していた信仰組織から出ていることを、長い間、彼の口から出る言葉で薄々感じ取っていたのだと思います。

私が家を出た後、「母さんも悪いんだよ。父さんの嫌がることをしたり、言うことを聞かないからいけないんだ。俺たちまで巻き込んで苦しめた」と、言うのでした。

長年、父親の口から出た言葉しか聞いていませんから（私は反論もできなかったのです）、そう思うのでしょう。

元夫（彼）は子供たちをとてもかわいがり、大事にしていましたから、全面的に悪い父とはいえないでしょう。

私は、「どんなことがあってもお父さんです。反発して手を上げることはしてはいけません。お酒がさせているのだから、母さんに何があっても部屋から出ないように」と、子供たちに、何度も言い聞かせていました。

長男には随分哀しい目にあわせてしまいましたが、息子たちにとって大事な「父親」であることは間違いありませんし、私自身にも原因があり、なるべくしてなったものであると納得していたので、私には、不思議と「恨み」の気持ちは出てこないのです。

否、むしろ、もっと早く気がつき、本当の歩み方をできればよかったのかもしれませんね。

お互いに傷つけてしまったことは、ある面では、私も謝らなければならないかもしれません。

私は、旧姓に戻りませんでした。子供と同じ姓でいたいという気持ちからでしたが、いつしか、彼がもし最期を迎えた時は、難しいことかもしれないけれど、できれば一緒に私の御墓にと、思えるようになっていました。

家栽での離婚調停の件はこれで終わりですが、続きます。