6.3.2…「病識」②


昨日①で書いた様に、病的な状態であるにもかかわらず、自分が病気であることを自認していない状態を「病識が無い」と言う(病識欠如)。

その例として、統合失調症、アルコール依存症などのメンタルヘルス不調の場合は「病識がない」と、いう。と知られています。


そこで、アルコール依存症について、少し書きたいと思います。


■アルコール依存症とAC概念

お酒のことでも、国土・風土の違い、狭い日本でも気質や風習の違いがあります。


「ACという概念」は、比較的新しい概念…文化や世相の進展により考え方も変わる様に思いますが、私の体験から見て、感じたことを書いてみます。


ACとは、アダルトチルドレンのこと。

AC)とは、子ども時代にアルコール依存症者の親や養育者との関係の中で負ったトラウマ(心的外傷)が原因で、現在の生きづらさや人格形成への影響を感じている状態を指す概念です。親密な人間関係を築くことが難しい、他人からの肯定を常に求める、などの特徴があるといわれています。

※アダルトチルドレン(AC)は医学的な診断名ではありません。


先ず、アダルトチルドレン(AC)について、ググった資料から抜粋したものを引用させて頂きます。


1970年代にアメリカで提唱されました。Adult Children of AlcoholicsアルコホリックACoA)で、元々はアルコール依存症のある親のもとで育った人という意味で使われていました。

現在では解釈は広がり、アルコール依存症だけでなく薬物依存症、セックス依存症、ギャンブル依存症、ワーカホリック(仕事依存)などといった依存症のある親や養育者元で育つことや、機能不全家族のもとで育つことなどによるトラウマが現在の生きづらさや人格形成に影響している状態として使われるようになっています。

機能不全家族とは、本来安全な場所であるはずの家族が何らかの要因でその機能を十分に果たせない状態となっていることを示します。

要因には、親や養育者に依存症がある、虐待やネグレクト(育児放棄)、家族同士の不仲による対立や生活貧困、子どもに対する過剰な期待などさまざまあります。


子ども時代に受けたトラウマは強い後遺症を残すことがあり、中にはつらい体験を認めたくないために、無意識のうちにその経験を忘れてしまったり、自分自身が傷ついていたことすら認識できない場合もあります。

ためこんだ感情、怒りや攻撃性などが抱えきれなくなった結果、自身も依存症になったり、問題行動を起こす場合(行動化)があります。


一方、目立った問題を起こさない場合もありますが、生きづらさを感じていたり、精神疾患を発症したりすることもあります。


アダルトチルドレン(AC)の特徴

アダルトチルドレンの特徴として、概念の元となっているACoA(Adult Children of Alcoholics=アルコール依存症の親のもとで育った人)について記したジャネット・ウォイティッツは、以下のように示しています。


1. ACoAは何が正常かを推測する(「これでいい」との確信が持てない)

2. ACoAは物事を最初から最後までやり遂げることが困難である 

3. ACoAは本当のことを言った方が楽なときでも嘘をつく 

4. ACoAは情け容赦なく自分に批判を下す 

5. ACoAは楽しむことがなかなかできない 

6. ACoAはまじめすぎる 

7. ACoAは親密な関係を持つことが大変難しい 

8. ACoAは自分にコントロールできないと思われる変化に過剰に反応する 

9. ACoAは他人からの肯定や受け入れを常に求める 

10. ACoAは他人は自分と違うといつも考えている 

11. ACoAは常に責任をとりすぎるか、責任をとらなさすぎるかである 

12. ACoAは過剰に忠実である。無価値なものとわかっていてもこだわり続ける 

13. ACoAは衝動的である。他の行動が可能であると考えずに一つのことに自らを閉じこめる

(続く)