今日もご訪問ありがとうございます。
我が家に、訪問者が来ることはあまりない。
来るとしたら、セールスか、募金活動をしている人か、隣人である。
昨日、ドアのベルが鳴った。
娘が出ていくと、隣人であった。
我が家の隣人は、両隣ともに年金暮らしなので、あまり共通の話題もなく、この隣人が訪ねてくるのはだいたい、何か用事がある時である。
それは、「しばらく留守にするのでよろしく」と言うとき、←こちらの年金生活者の方々は、しょっちゅう旅行してます。優雅です。
クリスマスプレゼントを持ってきてくれる時、
そして、最後は、木を切ってほしい時。
彼女の家は、我が家の東側に位置するため、夏に向かって日が長くなり、テラスで日向ぼっこをする際に、うちの庭の木が、太陽を遮ることがある。
ノルウェー人にとっての、太陽は非常に重要なのである。
家の価値も、夏に「Kveldssol/夕方の太陽」が何時まであたるかということで、変わってくる。
勿論、長ければ長いほど、価値が高くなるのだ。
日本は西日が当たる部屋は嫌われるけど、こちらは逆。
さて、ちょうど目隠し代わりに、背の高い木が家の境界線近くに生えているため、それが少し伸びてくると、隣人がやってくるのだ。
今日も案の定、それを頼みに来た。
いつもの木に加えて、庭の反対側にある木も高くなってきたので切ってほしいと言われた。
私は「もちろん、そうしますよ。でも、木を切ってくれる主人が今、不在なので、帰ってきてからでもいいですか?」とにこやかに答える。
そう、にこやかにがポイント。
「勿論よ。今日、明日の話じゃないから、時間があったらお願いね。こんなこと頼んで気を悪くしてないかしら?」
と必ず、そういう気遣いの言葉がある。
「いえいえ、気が付かないことが多いから言ってくれて助かります。」と、絶対に嫌な顔はしてはいけない。
いつも、木を切って、それをまとめておいておくと、知らぬ間に、捨てに行ってくれる。
「それはとてもありがたい。」と告げると、
「今年からはもうできないの。主人が、今入院しててね。」
多分だけど、血栓症にかかり、足の神経が麻痺して、杖を使わないと歩けないというようなことを言っていた。
その血栓が肺の方まであがってきて、息もしづらいとか。エコノミークラス症候群ってやつかな?
「家の木も、今まで主人が切っていたんだけど、今年はお金を払って人に切ってもらってるの。」とのこと。
かなり大変じゃないのかなと、気の毒に思ったが、
「でも大したことないから。もうすぐしたら、二人でドナウ川のクルーズに出かける予定。」
らしい。
全く悲壮感を感じさせないところが、素晴らしい。←でも、旅行なんて行けるのかしら?
彼女は、元小学校の先生で、活舌もいいし、運動もしていて、アクティブで、常に元気いっぱいだ。
一方の旦那さんは、いつもリビングでTVを見ているという印象がある。
話はそれてしまったが、境界線の木が原因で、近所と諍いを起こすノルウェー人が多いという話を聞いたことがあったので、
ものわかりのいい隣人を装うように心掛けている。
これも処世術の一つである。
木を切るのは主人なのであるが…
と、昨日主人が長い出張から戻り、早速その話をした。
「えっ!また切るのお 前もかなり短くきったのになあ。」と思ったとおり、ぶつぶつ文句を言っていた。
よろしくお願いしますね。