こんばんわ!
先日、ロンドンに1泊2日の超特急出張に行って来ました。
朝5時に起きて、7時台オスロ発のフライトでロンドンに到着。
午後1時から8時まで、あるイベントに出席。
翌日は早朝4時半に起き、これまた7時台の飛行機でオスロに10時過ぎ到着。
それから、オフィスに直行し残務を整理して帰宅、という日程でした。
いずれも朝の早い便であったものの、行きも帰りもフライトはほぼ満席状態。
日本でいうところの、東京・大阪間を1泊2日の日程で出張するというイメージでしょうか?
このイベントについて少しお話したいと思います。
ICMA(国際資本市場協会)とJSDA(日本証券業協会)が主催する、簡単にいうと日本への投資を海外の投資家にアピールするというイベントでした。
会場は、イングランド銀行のすぐ近くにある、ロンドン市長の官邸であるマンションハウス。
なかなか行けない場所だし、歴史を感じさせる堂々とした佇まいに、もう気分はお上りさん。
日本の中枢となるいくつもの政府機関や企業が総力をあげて、日本市場をプロモーションするということもあって、ゲストスピーカーは超豪華。プログラムはこちら。
ただ、残念なことに出席者の半数近くが日本人。本来であれば、イギリス人をはじめとした、海外の投資家にもっと来てもらうはずのイベントなのでしょうが、どうもこの日はイギリスの予算が発表される日らしく、市場関係者はそちらを注視する必要があったのも理由のようです。
日英翻訳ありとのことだったので、日本人のスピーチに英訳がはいるのかと思ったら、スピーチは全て英語、しかも皆さんとても流暢で場慣れしているという感じ。
さすが、国の中枢にいる人は違うのだなと感動しました。
特に、
経済財政諮問会議議員であり経済学者の伊藤 元重先生の基調講演と、
最後の鶴岡 英国大使のスピーチは、聞く人を引き込む素晴らしいものでした。
海外に住む日本人として、日本のこれからの発展を応援したいなと心から思います。
時代に取り残されないように変化していくこと、女性の社会進出、高齢化社会への対応(ロボテック、フィンテック、グリーンファイナンスの活用)、法整備、個人の金融リテラシーを高め預貯金を投資に持ってくること、等々がキーとなるようです。
沢山の日本人にも会えたし、美味しい日本酒もいただいたしで満足な気持ちでホテルに戻りました。
と、以上がイベントにおける感想です。
さてさて、本題に戻ります。
翌日早朝、ホテルからタクシーでヒースローエクスプレスに乗るためにパディントン駅に行こうとしたところ、タクシーの運転手さんが、
「さっき携帯に連絡がはいって、信号の故障でヒースローエキスプレスが動いてないと連絡を受けたけど、どうしますか?」ということ!
そんなこと全く予想していなかったし、ヒースローエクスプレスのアプリを必死でダウンロードして、往復チケットも買ったのにぃ。
「本当にそうなの?アプリで見たところ、正常に動いてるってあるけど~」と疑心暗鬼な私。
「いやいや、本当だよ。さっき情報センターから連絡もらったんだから。」とタクシーの運転手さん。
「地下鉄で行くんだったら、パディントンじゃなくてグリーンパークになるけど、どうしますか?」
「うーん、じゃ、地下鉄で。」と私。
車はパディントンとは反対方向に進んでいく。
「地下鉄ってどれくらいかかるんですか?」と私。
「1時間はかかるね?タクシーなら25分だよ。」と運転手。
1時間じゃ、ぎりぎりかもと焦る私。
「じゃ、やっぱりタクシーでこのまま空港に行ってください。」
パディントンに行って、確かめてから、ダメな場合は、またタクシー拾えばいいや、という考えもあったものの、車は進んでいくし、どうせ会社に請求すりゃいいしという思いもあり、結局そのまま空港に向かってもらう。
日本にいた頃や若い頃は、色んな国に旅行もいったし、だまされそうになったこともあるし、自分ではかなり用心深いという自負があったのだけど、乗り遅れると大変ということもあり、何故かこの運転手さんのことを信用してしまいました。
「ヒースローエクスプレスのチケットは返金きくかな?」と聞いたところ、
「空港にあるサービスデスクで返金してくれるから、大丈夫!」と運転手。
無事、空港に着いたのだけど、いつもは至る所にいるヒースローエクスプレスの係員達はまだ朝が早いため全く見当たらず。
出発ターミナルから、ヒースローエクスプレスの乗り場まで、長ーい距離を歩いていかなくてはいけないことをすっかり忘れていた私。
時計を睨みながらどうしよう、と迷いつつも、とりあえず係員がいるであろう電車の乗り場まで早足で進むことに。
すると、ヒースローエクスプレスの社員が3人こちらを向いて歩いてくる。
少し息をきらせて「あの、電車が止まっていると聞いたのでタクシーで来たんだけど、返金てどこでしてもらえるんですか?」と尋ねる。
「え?電車は通常どおり動いているけど。」と一人が言い、
「それ、運転手に騙されたんじゃないの?」ともう一人が言い、
「返金はウェブサイトからカスタマーサービスに連絡することでもできるわよ。」と最後の一人が教えてくれた。
わちゃ-、やっぱり騙されたか!
あの時、パディントンに行って自分の目で確かめるべきだった、と超後悔。
落ち込んで、空港に着いても食欲がわかない。
普段ノルウェーでのんべんだらりとした生活を送っていて、すっかり緊張感を失ってしまった自分に対して、落ち込むばかり。
飛行機に無事に乗り、オスロに到着。雪化粧のオスロはいつ戻っても美しく、ほっとさせてくれる。我が家に戻ったという気分だ。
まだ、工事は残っているものの、空港は拡張され、さらに素敵になった。なんといっても、デザインがシンプルでおしゃれなのがいい。
と、2時間半の飛行を終えて、少しは気を紛らわすことができた。
会社に戻って、上司に「私、騙されたと思う。」と事の顛末を説明すると、
「僕も何回か騙されそうになったけど、パディントンに行くと言って断ったよ。」
「だめだな、人を信じちゃ。」
「外国人の観光客で、にこにこしている日本人だから騙されたんだよ。」
「まあ、いいよ。そういう事は起こりうるから。たいしたことない、タクシー代請求していいから。」
と何とも寛容なお言葉。
時間もたち、徐々に現実を受け入れることができるようになってきた。
嫌なことって時間が解決してくれるっていうけど、確かにそうだなと妙に実体験で感じてしまった私。
そうは言うものの、とりあえず、ダメもとでウェブサイトから返金の請求もした。
「多分、それはよくある詐欺であり、残念ながら返金はできません。」とでもいってくるのかな?と思いつつ。
すると、すぐにメールで返信がはいり、
「返金しますので、こちらに電話してカード番号を告げてください。」と書いてある。
えっまじ?
そして、その番号に電話をしたが、短いメッセージが流れて、すぐに切れた。2回かけても同じだ。
まさか、ウェブサイトも詐欺?
そんな筈はないでしょう?と、再度メールで「電話がつながらない」と書いて送った。
しばらくして、ランチから戻ると携帯に着信履歴がある。国番号がイギリスとなっているので、仕事の相手先かな、くらいにしか思わずにそのままにしていた。
すると、また同じ番号から連絡があり、
「ヒースローエキスプレスですが、電話がつながらないということなので、こちらからお電話しました。つきましては、あなたの依頼に従い、返金をしますのでカード番号をお知らせください。」ときた。
「ほぅ、この会社は騙された人に対しても情けで返金してくれるのかな?」
と変な解釈をしたが、念のため、実際に、今朝、電車が止まっていたか聞いてみた。
どうやら、そうらしい。
ということは、私は詐欺にあった訳ではなかったようだ。
運転手さん、疑ってごめんなさい。この場をお借りして謝ります。
そんな訳で、無駄にエネルギーを使った一日であった。
今回は、結果オーライでしたが、騙す人もいるだろうから、皆さんはくれぐれも気を付けてくださいね。