先日、トランプ大統領に関する番組を見ていたら、それからネットサーフィンの要領で、
「格差社会」をテーマにしたいくつかの番組に辿り着いた。
なんだか、すごい長文になってしまったので、お時間のある方はお付き合いくださいませ。
約15年前に日本を後にしたけど、
日本に帰るとびっくりすることが多い。
今もバブルをひきずっているかのような生活をしている人もいれば、
十分な食べ物を与えてもらえない子供向けの「こども食堂」が、各地にあるらしい。
貧困や子供の貧困なんて言葉は、戦後のことだと思っていたのに、この現代社会にそんなのが存在するのか?
老人の孤独死も増えているらしい。地域社会とのつながりがなくなっている証拠なのか。
地方の空き家や空き店舗が目立つ、税制かえないと空き家がスラム化しちゃうよ。
こっちのメディアでも、「高齢化社会、女性の社会進出が遅れている社会」の例として日本のことを取り上げることが多い。
世界の現状は、
まさかのイギリスのEU離脱に続き、アメリカのトランプ大統領の誕生。
次は、オランダ、フランス、ドイツでも選挙が控えており、いずれも右寄りの政党が勢いがあるようだ。
ギリシャの国民投票も危うくEU離脱かと思われたが、どうにか持ち越した。
そうだ、ISだって自分たちのイスラム国を作ろうとしているし。
スコットランド、スペインはカタルーニャの独立を問う住民投票も。
難民問題、移民排斥、ポピュリズムの台頭、ナショナリズム、現在の世界情勢は、グローバリゼーションとは反対の方向に舵が向いている。
お金持ちが、自分たちの富を働かない人々に持っていかれるのは嫌だという。
庶民は、自分たちは搾取され、仕事は移民に持っていかれ、政治家が悪いという。
難民の人々は、自国じゃどうにもならないからとヨーロッパに助けを求める。
昔、植民地でいい思いをさせてもらったんだし、国際社会における先進国として難民を助ける責任があるし、高齢化が進む先進国では重要な労働力だから、大切にしなくちゃいけない。
一方、受け入れてもらった側は、自国には帰れない、あるいは帰りたくないから、やっぱり、文化が違っても、言葉が違っても、受け入れてくれた国に溶け込む努力は怠ってはならない。
でも、今はもうパンク状態。
若者は大学にでても職がない。
ITの進化でコンピューターに仕事を奪われる。
金持ちは自分たちだけのパラダイスを作りたがる。
「資本があれば、持てば持つほど金持ちになるから、持たないものがいくら頑張っても追いつけない」という当たり前だけど、不条理な理論を展開した、ピケティ本なるものがえらく売れたとか。
頑張った人がなんで頑張らない人にあげなきゃいけないの?という心理
でも、頑張ってもどうにもならない世界がたくさんある。
日本やノルウェーなんかに生まれてきた人は、超ラッキーといつも思う。
歴史をずっとさかのぼる、
第一次世界大戦で負けたドイツ、戦後賠償支払えないから、ヒトラーが国民を奮起させて、いろいろな条約破って、また戦争をしかける。
金持ちユダヤ人をターゲットに、国民の怒りをそちらに向かわせることで、国民の一致団結をはかる政策で求心力を得る。
でもナチスは、ユダヤ人迫害に金を使いすぎて、力を失い、結局またもや敗北。
戦争でめちゃくちゃになったヨーロッパは、冷戦構造となり、東西分裂。
資本主義と共産主義の戦いが続くうちに、東西の経済格差がどんどん開いていく。
ベルリンの壁崩壊で、共産主義の失敗が証明される。
人は平等には決してならない。理想は理想のままだ。
近代経済史を見てみると、
1985年 アメリカ一番の時代(ブレトンウッズ体制からニクソンショックを経て)、双子の赤字で苦しむように、
その後、プラザ合意により、日本は円高不況、アメリカは低金利政策でドル安加速
1987年 ルーブル合意により行き過ぎたドル安に歯止めをかけようとするが、西ドイツは協調に反して金利を上げる
1987年10月19日ブラックマンデー、でも、日本はわりと早くに回復
1989年にベルリンの壁崩壊により、東西冷戦が終結
1989年12月、日経平均の史上最高値を記録
1990年 不動産融資総量規制により国のバブルつぶしが始まる、金利も6%に上昇
1991年銀行の貸し渋り、バブル崩壊始まる。ソ連の崩壊
1997年 アジア通貨危機、山一證券の破綻
2001年 中国WTO加盟、ITバブル崩壊
2001-2006年 小泉政権下での規制緩和により、派遣労働法の改正で労働の流動化、派遣切り、中高年の失業、資本主義が進む
2008年リーマンショックでまたへこむ
日本のバブルが崩壊した後、
中国のWTO加盟を機に、共産主義と資本主義が混在し、中国が経済発展していく。
金融ビッグバンにより、規制緩和が進み、グローバル化の波が押し寄せる。
失われた10年と言われ、価格競争が進み、デフレ経済が長期化
金融機関はつぶれないという神話は崩壊
合併が進み、金融機関が統合
今まで日本経済を発展させてきたと言われる、「年功序列」「労働組合」「終身雇用」の3種の神器が崩れていく。
会社は株主重視の経営にシフト、経営効率化により、中高年の失業が目立つようになる
若者は就職氷河期
派遣労働により労働の流動化が加速
安い中国製品が台頭し、価格崩壊が世界中で起きる
給与はあがらず、企業は内部留保
結果、規制緩和により、格差が拡大してしまった。
景気は上向き、バブルに近づいたと思いきや、
アメリカのサブプライム危機を発端に、リーマンショックにより景気が腰おれ、
当局の規制が再び厳しくなる。
資本家は税逃れのために国外移住
市場参加者と規制当局のせめぎあい
先進国では超低金利、金融緩和策をとり、日銀はマイナス金利を導入、
でも、投資に拍車はかからず、銀行の経営は預金に金利を払うため苦しくなる
バブル後に広がった格差はなかなか縮まらず
選挙やっても、多数派の老人の声のみ反映される。
若者がもっと政治に参加しないと、政治はかわらないのに。←これ日本のケース
結局は、政治って税金を徴収して富をどううまく配分していくかが究極の仕事なのかな?
税金あげすぎると、金持ちとか企業がでていっちゃうし、
税金を下げすぎると弱肉強食で格差が広がるし。国の借金も増えちゃうし。
皆が平等な世界を実現させることは本当に難しい。
本当の幸せは、金持ちになることじゃない、
仕事があって、
自分が社会に少しは役に立てていると感じて、
家族が健康で、
食べるものに不自由しないで、
他の人に少し分けてあげる余裕があり、
休暇が待ち遠しくて、
心地よい程度の距離が他人と保てて、
例えば、誰かにぶつかったとしてもお互いが微笑みあえるような、そういう社会。
自分たちの子供が大人になったら世界はどうなっているんだろう。
結局は、その国の命運って、最終的には教育に行きつくのかな。
政治家を選ぶのも、国の政策を選ぶのも、主権は国民にあるのだから。
国民が、国をしっかりと動かしてくれる人を選ぶ、その目を養うには、自分が賢くならなきゃだめだね。人任せにしちゃだめなんだろうな。
と、ちょっと真面目な話になってしまった。