過食症

過食症は、拒食症と併せて摂食障害と呼ばれています。
過食症には、食べるだけの人、食べて吐くという行為

をくりかえす人がいます。
拒食症の人は、周囲の人が気付きます。

どんどん痩せていってしまうのですから…。

でも、過食症の人は、周囲の人が気付くかどうか、

大変微妙です。食べ続ける人であれば、

どんどん太っていくので周囲の人が気付きますが、

食べて吐くという行為をくりかえす人は、

見た目には何ら変化がないので、

なかなか気付きません。
過食症は、多くの場合、

ダイエットの失敗から始まります。

( 多くの場合とは、大体、心理学では、

7割を越える場合…、を指します。逆に言うと、

3割未満の人は、

ダイエットの失敗から始まったわけじゃないという

ことです)

痩せたいので食べない。それで空腹になる。

食べる。反動でつい食べ過ぎてしまう。

食べ終わると、太るのではないかと思い、

その恐怖で吐く。吐いたら胃の中が空っぽになる。

それでまた食べる。

そんなことをしている自分が情けなくなる。

情けないという思いがストレスになり、

その解消のためにまた食べる。


過食症は、ノイローゼの一種ではありますが、

精神病ではないので、薬物がなかなか効きません。

医者が大変手を焼く神経症です。医師の中には、

「過食症は治らない」とおっしゃる方さえいるくらいです。
私は、過食症を治す治療プログラムを持っています。

そのプログラムに乗っかれば、

かなり高い確率で治すことができます。問題は、

クライエントが、

その治療プログラムに乗るかどうかです。


「こんな辛いプログラムをこなすくらいだったら、

食べ続けた方がいい」と主張する人がいます。

「食べてさえいれば、心は癒されるし、

吐きさえすれば太らなくて済むし、

他に趣味があるわけでなし、

食べ物代だって、しれている」と、

変な理屈を持ち出して、

自分自身を納得させようとするのです。


また、「いえ、本当に治したいのです」とは言うものの、本当は治したくないのではないか? 

と思われる行動を取り続けるクライエントは少なく

ありません。


例えば、過食を引き起こす要因のひとつとして、

先にあげた空腹があります。
カウンセラーは、クライエントに対し、

空腹の時間を持たないよう指示します。

6時間以上(眠っている時間を除く)

口に物を入れない時間を持たないよう指示します。

空腹は、過食を招くからです。


でも、クライエントは、それを決して守ろうとしません。

食べると太るからという理由で、

絶食の時間を好んで持とうとするのです。

彼女(男性もまれにいますが、多くは女性です)

らは、太ると人から愛されないと勝手に思いこんでいるのです。太ることを何より恐れているのです。


そう、彼女らは愛されたいのです。
太りたくない、太ると人から嫌われる、

嫌われたら生きていけない、というクライエントの思いは、過食症を治す最大の障害です。


過食症の人が、人によく気を使う人であることが

多いのは、そういう理由(愛されなければ生きていけ

ないと思いこんでいる)からです。


私は、過食症のクライエントに、「過食するな」とは、

言ってないのです。その逆です。「食べなさい」

と言っているのです。でも、彼女らは決して食べようとしません。

実に不思議です。

食べないから過食するのだと、

何度も言いますが、彼女らは、

食べないです。それで過食してしまいます。


そして、もうひとつ。彼女らは、

過食を中心として生活を組立てているようなところが

あり、食べない時間をどう過ごしていいかわからない

のです。

食べないと、淋しくて淋しくて仕方ないのです。


過食症の人は、まるで、

心の真ん中に大きな穴があいているようです。

その穴を埋めるために、

食べ物を口に入れているかのようです。穴とは、

多くの場合、淋しさです。過食を招く要因は、

空腹・孤独・怒り・疲労と言われていますが、

圧倒的に孤独であることが多いようです。それは、

幼少期の頃、母親から真実の愛をもらえなかったから

に他ならない…とも言われています。


そういうこともあって、過食症の人には、よく、

精神分析を行ったり、箱庭療法を行ったりしています。
心の相談室withでは、過食症の人に対しては、

行動療法と認知療法を使います。


行動療法と認知療法は、

メールカウンセリングでもある程度できるのですが、

孤独感・淋しさを埋めることは、

メールでは非常に困難です。


クライエントの孤独感を埋めるのは、

面談による来談者中心療法しかないのではないか、

とも思います。


私の仕事、過食症の方を治す為にやることは、

クライエントの淋しさを解消し、適切な治療プログラム

を与え、そのプログラムを実行するクライエントを支え

励ますことです。


クライエントの淋しさを解消する手段は、

クライエントの話をひたすら聞くことです。

そして、ありのままのクライエントを受け入れることです。


カウンセラーに受け入れてもらえたという体験を得た

クライエントは、やがて自分で自分を受け入れること

ができるようになります。


真の自分を受け入れることができたクライエントは、

強い孤独感から抜け出せます。それで、

ようやく治療プログラムにのっかります。


「愛されたい、人から嫌われたくない」と強く強く思って

いるうちは、治療プログラムを実行することができな

いようです。


ここまで書いてきて思ったことがあります。
クライエントの孤独感を拭い取るのも、

治療プログラムのひとつではないか、
全くその通りですね。


なんだか、まとまりのない文章になって申し訳ないです。

近いうちにまた、このことについては、言及してい

きたいと思います。特に、痩せたい願望から始まった

わけではない過食症について書いていきたいと思い

ます。


これは、私の感想なのですが、痩せたい願望から始ま

ったわけではない過食症(過食症になった理由は、

千差万別です)の人は、「痩せたい」という障害

(過食症を治すのを邪魔するもの)がないので、

比較的回復が容易なのではないかな…、と思います。