「格子なき牢獄」 ③
一緒に捕まった者の中には、母親が脳溢血で倒れていた者や、妻が妊娠中の者もいた。”あの母親がそのまま死んだら、お前はその家の者に恨まれるぞ””あいつは会社の資金繰りに困るだろうな。あいつの会社にもガサ入れしてやろうか”──検事の追及は容赦なかった。
その一方で、決して池田を逮捕することはないと説得し続けた。
「(池田に)検察庁へきて貰ってお詫びをして貰って、それで終わりだから」(第45回公判調書)。
またこれまで「戸別訪問の関係で一応(池田の逮捕は)やめておいた」(同)が、お前が認めなければ、やはり池田を逮捕する、とも脅した。
さらに巧妙な言い回しも駆使した。この時すでに、理事長の小泉隆に責任をなすりつける調書が出来上がっていた。そのうえで検察は”このままだと、小泉理事長に責任比重がかかりすぎるから、バランスをとるために、池田からも指示されたと認めろ”と迫ったのだ。Nにとって小泉は、信心を教えてくれた先輩でもあった。