自白させてから証拠を集める時代逆行の捜査
「格子なき牢獄」 ①
「大阪事件」で池田は何と戦ったのか。四年半に及ぶ裁判で、検察が「偏見予断に基づき池田を逮捕し自白をなさし、それから証拠を集めんとする時代逆行の捜査をなした」(第八二回公判、弁諭要旨)実態が、次々に明らかにされていった。
その手法を解きほぐすと、「大阪事件」の本質が見えてくる。そもそも「逮捕に至る経緯」自体が、「ウソの自白」で固められたものだった。
池田の勾留を認める書類には、二種類の容疑が記されていた。一つは「買収」の指示。もう一つが「戸別訪問」の指示である。
それぞれ指示者たちは密室で脅され、怒鳴られ、検事の作文どおりに認めさせられた。
特に池田の逮捕に直結したのは、参院補選の投票日直前に起きた事件である。タバコや百円札に候補者の名前が書かれていた──それが池田の指示だったという、まったく根も葉もない「虚偽の調書」がつくられたのだった。