2002年5月16日。SGIの代表団がカンボジア・プノンペンの王宮を表敬した。
国王ノロドム・シアヌークと池田会長の会見写真を持参した。1975年(昭和50年)4月18日、北京での撮影。
「これは懐かしい!」
内戦のカンボジアから中国に亡命。折から訪中していた会長が表敬したのは、祖国も王室も最も苦境の時期であった。
「北京でしたね。素晴らしい出会いでした」。王妃と二人で写真をながめ、思い出話はつきなかった。
翌日の朝一番。カンボジア文化会館に緊急連絡があった。
「王宮にいらしてください」
何事か!身支度をして、車を用意しなければ。
間を置かず、再び電話が鳴った。
「宮内庁長官がお待ちしています。急いでいただきたい」
会館にあったのは軽トラック。荷台に乗り込んだ。Tシャツ姿の者もいたが、やむを得ない。王宮が見えてきた。厳重なチェックがあるはずだが、止められるどころか、衛兵がこちらに敬礼してくる。前日と打って変わり、ほとんどノーチェック。いったい、どうなっているのか。
黄色い屋根の玄関についた。国王夫妻が両手を広げている。
「このようにまた、皆さんとお会いできるのを嬉しく思います。私どもの池田閣下への深き尊敬の念と親愛の情を、重ねてお伝えしたかったのです」
二日続けての謁見。国王夫妻の出迎え。長年、仕えてきた儀展長が驚いた。
「異例中の異例です。いまだかつてありません」