蝶々に出逢いました。💓



ファッションデザイナーの森英恵さんが美しい蝶々のまま、世界中の人々を魅了したままお空高くへと飛んでいかれました。


森英恵さん。

昭和世代の私には、キラキラ華やかな蝶々のモリハナエブランドは憧れでした。


表参道のモリハナエビル(名称はよく覚えていません。)

あ〜素敵だなぁ、と店内を眺めていたことを思い出します。


黒柳徹子さんが、ザ・ベストテンで着用した衣装をインスタで紹介しながら追悼されていました。


ザ・ベストテンは大好きな番組で毎週楽しみに視聴していましたので、徹子さんが番組出演当時の森英恵さんデザインの衣装を紹介してくださり、とても懐かしくなりました。


そして

改めて日本の良さを活かした気品のある美しい衣装の数々に

森英恵さんの偉大さを実感しました。


たくさんの素敵!をありがとうございます‼︎




蝶々をテーマにしたおはなしを書きました。


蝶々そのものである森英恵さんにも読んでいただけたらうれしいな。


おはなしランド

キラキラ

ちょうちょ





もりもりパクパク


葉っぱやキャベツをもりもりパクパク食べているのは元気いっぱいの青虫たち。


ついこの間までは、みんなまんまるたまごでした。



ぴょん!


あっ、まぶしい!!



キョロキョロもそもそ。



青虫くんたちが生まれてはじめて出会ったのは、

あたたかな陽の光とみどりいっぱいの世界。


ぐ〜。


そういえばお腹がすいてる〜。


だって

生まれてからなんにも食べてないもん。


この葉っぱ、食べれるのかなぁ。


なんて考える間もなく、

青虫くんたちはもぐもぐむしゃむしゃ。あたりの葉っぱを食べはじめました。


ばりばり。もぐもぐ。むしゃむしゃ。


ちびっこだった青虫たちも、夢中で葉っぱのごちそう食べているうちにすっかりまるまる!

立派で大きな青虫になっていました。



おやすみ〜



ふぁ〜。

たくさん食べたらなんだかねむたくなってきたよ〜。



さすが立派になった青虫たち。

自分たちの寝床はちゃんと自分たちで用意ができます。


青虫たちはみんなひとりづつ、自分にぴったりしっくりくる自慢の寝床を上手につくり上げると


ふにやふにゃ

おやすみ〜


と、すやすやすーすー眠りはじめました。


あんなにたくさんごちそうを食べたんだもの。

みんなご自慢の布団にくるまれると、あっという間に吸い込まれるように深い眠りへ入っていきました。



それから

どれほどの時間が流れたのでしょう。

たくさんの昼と夜は過ぎ、その間

お日さまとお月さまは交代で眠っている青虫くんたちを遠い空から見守ってきました。


かさかさ。

ゴソゴソ。


長い長〜い青虫くんたちの眠りの時間。


何回目かのお日様が昇ったころには、目を覚ましそうな青虫も出てきました。


あっ、

青虫くんたちが目を覚ました時には、もう青虫の姿ではありません。


目覚め


ふぁ〜。


最初に目をさました子は、

ぐぐぐっと大きなあくびと共に、背伸びをしました。



その拍子に青虫を心地よく寝かしてくれていたご自慢の布団は、もう役目を終えてパラパラとはがれ落ちました。


もう一度背伸びをすると今度は縮こまっていた羽も気持ち良さそうに広がり、美しいちょうの姿が現れました。


そう。


青虫は美しいちょうになったのです。


ちょうになったばかりの青虫は、美しい自分の後ろ姿を嬉しそうに振り返り見てから、ゆっくりと羽を動かしました。


何度か不器用に動かしているうちに、すっかり羽はきれいに広がり、ひらひらと羽をはためかせるとすっとお空に浮かび上がりました。


舞い上がったちょうちょうはとてもうれしそうです。


しだいに他の青虫たちも目を覚ましはじめ、

嬉しそうにちようちょうが舞い上がる光景があちらこちらに広がりました。

あたり一面は、まるでちょうちょうの楽園です。


ちょうちょうたちは、うれしくなってはしゃいでいます。


風とおしゃべりをしたり

きれいな羽をお互いに誇らしく見せ合ったりしています。


空へ


そんな時、1ぴきのちようちょが自分たちが布団にくるまって寝ていたあたりを見下ろすと、


まだお手製の布団にくるまったまま、ぴくりとも動かない青虫がいることに気がついたのです。


取り残された青虫がいることは、

あっという間にちょうちょうたちに広まりました。



心配だわ。

大丈夫かしら。

いったいどうしたのかしら…。



はじめは心から心配そうにしていたちょうちょうたち



それでも

空を飛べる楽しさに

1ぴき、また1ぴきと

思い思いのお空の方へ飛んでいってしまいました。


とうとうお空は空っぽ。

1ぴきもちょうちょうはいなくなってしまいました。



ひとり


たったひとり置いてけぼりになってしまった末っ子青虫。


末っ子青虫は、外からは何も見えないお手製布団の中で必死になってもがいていました。


そして、お手製布団の中からも、外の様子は全く分かりませんでした。


それもそのはず、末っ子青虫のお手製布団は、いつの間にか固くて冷たいどっしりとした銅に変わっていたのです。



外の光もまったく入って来ませんし、精一杯全身の力を込めて布団を押してもびくともしません。

だって銅で出来ているんですもの。


何度もぷるぷると身体を震わせながら銅の布団を押しました。


何度も何度も。


あぁ、もう外にも出れず、友だちに会うことも出来ずにこのまま死んでしまうんだ…。



真っ暗い銅の布団の中で

悲しくなった末っ子青虫はポロポロと涙をながしました。


すると、

落ちた涙のしずくから、固い固い銅の布団がとけはじめ、うっすらと外の光が差し込んできました。


あっ。


すっかり絶望していた末っ子青虫は、まだわずかに残っていた最後の力を振り絞り、まだ柔らかな羽にもありったけの力を込めて銅の布団を押しました。


末っ子青虫の体はよりいっそうぷるぷると震えています。



するとどうでしょう。



✨✨✨


暗く重かった銅の布団はとうとう二つに割れ、中からはそれはそれは美しい羽が現れました。


旅立ち


その羽は、先にちょうになった兄さん姉さんのものとは全く違う今までに誰も見たことのない美しさでした。



虹色、夢色。

この世のものとは思えない美しさです。



末っ子青虫。

いえいえ、もう誰にも負けない美しいちょうちょうになった末っ子は、


ひときわ美しい羽をはためかせ、

うれしさを胸に優雅に大空を飛んでゆきました。



おしまい🦋


I AM PRESENCE

だるまりん