結局 その日はミキさんからラインへの返事はなかった。
次の日、朝返事が入ってた。
送信時間を見たら夜中の3時になってた。
「元気ー? 今 常務に随行してアメリカにいるの。 エイコちゃんの出身地シカゴだよー。 めっちゃ寒いね、シカゴw 」
ミキさん、日本にいないんだ。 そうか、だから返信なかったんだ。 夜中の3時ということは、シカゴはちょうどお昼休みくらい。
「そうだったんですか! いいなぁ。 私も本社に勤めてシカゴ行きたいー シカゴの寒さは強烈ですよー 風邪ひかないでくださいー。」って返信して、家を出た。
いつも通り出社して、海外からのメールの処理をした。
ちょっと気になったことがあった。
社長に入ってくるメールで市場クレームの報告があった。フィリピン工場からと本社から。
おそらく同一の案件。内容は日本語だから翻訳をする必要がないので、プリントアウトして社長のデスクの「未決済」のトレイの置いただけ。
だから細かい内容は知らない。
察するに組み立てはフィリピン工場。クレームが出た場合、連絡は顧客から本社に来る。
本社はそれを受けてロット番号をトレースして責任工場を確定し、その工場が海外の場合、マザー工場、つまりフィリピン工場のマザーはここだから、ここに本社から調査指示が出る。
同じ案件で、1週間ほどやりとりしているようだったの。
まだ終結していなかったのか。
通常、顧客からクレームを受け取った場合、受理してから24時間以内に調査報告をしなければいけないの。
対象となる範囲のロット番号を報告して必要であれば回収。その後5日以内に最終報告をするの。最終報告の内容は発生原因と流出原因、それらに対する対策。
1週間経っても終結しないのは、原因が解明されていない場合かな。
社長はいつも通りだったけど、会議室で終始会議してた。
その日はこれといって何もなかったけど、5時前になって社長が言った。
「エイコさん、来週早々フィリピン工場に行きます。一緒に来てくだい。航空券とホテルの手配をお願いします。私と品質管理部の山田君そして君の3人です。ホテルはいつものところで。総務課の林さんに聞けばわかります。来週月曜出発。木曜日帰国。」
ビジネスライクに社長が言う。
私はすかさずメモをして復唱して確認を取った。
この時なの、無視されたの。
そりゃあ嫌だよね。もう5時になるし。
でもしょうがないからすぐに総務課の林さんのところに行ったの。
私と同じくらいか、ちょっと年上の女性。
私の態度も良くなかったかもしれない。
緊急を要することだったから、相手をねぎらう言葉も出てこなかった。
航空券とホテルの手配の件を伝えると、彼女は黙ったままパソコンの画面を見ていた。
すごく嫌な感じだった。
私は、コンビニの店長と会う約束をしていたけど、他人にものを頼んでおいて、先に帰るわけにはいかないので、社長室で自分の仕事をしてた。
社長は5時過ぎにまた工程に行ったみたい。
6時近くにになっても林さんから連絡がないから、社長室を出て総務課の方を見たら、もう誰もいなかった。
まじ?って思った。
しばらくして社長が戻ってきた。
事情を説明したら、林さんに確認を取っておいてと言われ、カバンを持って出て行った。
まだ明日金曜日だから、明日でいいやって思って、店長との待ち合わせがあるから、急いで会社を出たの。
話が前後になっててごちゃごちゃしてるねー
ごめんねー
またねー