今日、質問のメールをいただきました。

1 乳房再建の 身体にもたらす 見た目以外のメリット、またデメリット

2 再建が可能な症状タイプというのでしょうか?
または逆に、出来ない症状や場所、タイプ等 ございましたら 教えていただきたいです


この場を借りて、まずは1から考えてみたいと思います。

私もまだまだ勉強中なので、私の考え方が正しいわけではないと思いますが、一つの意見として参考にしていただければと思います。


1 乳房再建の 身体にもたらす 見た目以外のメリット、またデメリット


《乳房再建の見た目以外のメリット》

 

 とても乳房の大きい人などでは、片方を切除したことにより、体のバランスがとれなくなり、転んでしまうとのことで、再建を行い、改善した方もいます。

 

 また、根拠はありませんが、腋窩郭清を行った場合に、自家組織再建をしたほうが、リンパ浮腫のリスクが減るといった意見もあります。


 しかし、乳房再建は、見た目のために行う要素が大きいです。命のためだけならば、行わなくてもいい手術です。

 でも、女性にとって、見た目は大事ですビックリマーク乳房を失うことによる精神的なダメージを軽減することは乳がんの治療を継続するうえでも重要と思います。



《乳房再建のデメリット》

 

 術後の疼痛も増しますし、外来通院数も増えるし、手術時間も長くなります。


 しかし、一次再建(同時再建)の場合は、手術入院費用の自己負担分は再建してもしなくてもあまり変わりません。高額医療の対象となるからです。


 二次再建(乳がんの手術から時間をおいてからの再建)の場合や二期再建(エキスパンダーを用いた再建)の場合には、手術入院回数や費用が増えます。


 乳輪乳頭が切除された場合には、乳輪乳頭の再建も必要になります。


 あとは、合併症です。

自家組織の場合は、出血、疼痛、皮弁の壊死、創感染

人工物(エキスパンダーやシリコンインプラント)の場合は、疼痛、破損、被膜拘縮、露出、感染


といった、合併症のリスクも増えます。


合併症の頻度は多くはありませんが、万が一、生じてしまった場合には、治療回数も増えてしまいます。


しかし、乳房再建が完成したときには、みなさん、とても喜んでくださいます。