第1回オンコプラスティックサージャリー学会に参加し
「乳腺外科に形成外科医が所属することによる乳房再建率の変化」
について発表しました
形成外科医が乳腺外科に所属することによる乳癌の手術療法、主に乳房再建率に与える影響について検討した結果を発表しました。
形成外科医が乳腺外科専属となることで、すべての乳がん患者に再建についての情報が提供され、乳腺外科医、コメディカルの再建に対する理解が深まり乳房再建率が上昇しました。
2007年4月に開院してから2013年3月までの間に当院で乳癌と診断され手術を行ったのは1960例(全乳癌手術数)でした。
乳房再建手術は全体で92例に対し117件で一次再建が77例(83.7%)、二次再建が15例(16.3%)でした。
2012年の乳房再建件数は35例と前年比1.5倍に増加し、一次再建は29例と前年比2倍に増加しました。
再建術式は一次一期のDIEP再建が最も多かったですが、2013年8月に人工物による乳房再建が保険適応になったため、2013年は人工物が最も多くなりそうです。
一方で温存率は年々低下し2011年には半数をしたまわりました。これは、再建ができるようになったことにより、無理な温存が減ったためです。
以前は、乳房温存率が高い施設がいい施設という風潮がありましたが、現在では、無理な温存を行って変形するよりは、全摘して再建した方がいいという意見や、若年性乳癌では再発率が高いため、温存手術は推奨されないとの意見もあります。