標高146mの高台に立地した閑静な空間。ウグイスやヒグラシの
鳴く声が響き渡り、澄み渡る空気に美しい湧き水が出る市街地。
横浜市から移住して約1年が経過しており、街の暮らしにも幾らか
慣れました。私は緑地が無い地域や低地には住みたくない為、
必然的に選択肢が限られます。此処は神奈川県の西部に位置する
秦野市の住宅地。簡素的で洗練されており、風情のある趣が私好み。

太平洋側から南風が入るため真冬も殆ど雪が降らず、山脈地帯の
景観が季節毎に移り変わり、雲が低く垂れ下がる日には夕焼けが
反射して幻想的です。盆地という地形に高台に在るという優位性が
加わり、水害などにも極めて強く、敷地内や周辺環境を眺めれば、
開発当初に豊富な資金が投入された痕跡が見受けられます。

この住宅地は桜の樹が長距離に及び植えられている事も特徴的。

 

(以下の画像は全て 住まいの周辺で撮影した写真です)





 

 

 

 

 

 

私が若い頃の話ですが『Brasíl』の『Curitiba』という新興都市
に滞在していた経験がある為、その都市理論を基にして日本国内の
住宅地を探しています。日本の住宅地よりも海外の住宅地の方が
優れているのは明確であり、必ず高台で平坦に造成された土地を
選択する事が重要であると考えています。同じ高台でも傾斜のある
土地は崖崩れのリスクが発生するし、区画整理されてない住宅地は
緊急災害時などに不便しますね。決して密集地帯には住みません。

 

 

〈 CURITIBA Top 10 🇧🇷 [4K] Brazil 〉

 

 
 
( 私が10代の頃はサッカー少年でした ⚽ )
 

 

 

〈 Eiki Ozawa  17anos 〉

 

 

 
標高940mの高地に位置する Curitiba は、優れた都市機能や
西洋風な美しい街並み、遥か彼方にまで広がる大自然にも恵まれ
ており、かつてヨーロッパ諸国の移民が築き上げた歴史を基に
整備されているが故に、理想的な都市計画として世界的にも
知れ渡りました。都市全体をゾーニングしており、人口増加に
伴う都市の拡大を「5つの幹線道路」に沿って企画しています。
ブラジル初の大学 (Universidade Federal do Paraná) も健在。

スプロール(都市化が無秩序に広がる)現象や建造物の乱立を
意図的に避けている事から、無計画な高層建築物の建設を抑制
する規律が見受けられ、見事な都市景観が保たれています。
かつて首都『Brasília』の都市計画は失敗作とされましたが、
それを挽回するが如く Curitiba は理想都市を見事に実現。
『クリチバ.マスター.プラン』として広く世に知られており、
1992年の世界環境会議における人間環境都市として有名です。

 

 



 

 

 

 

Brasíl という国の繁栄において「沿岸部全ての都市から概ね
1000km の地点を首都とする」という計画が数百年間に渡り議論
されました。Brasília の建築は『Niemeyer』芸術が基礎であり、
卓越した造形美や都市設計も斬新で、交通体系も生物学のように
組み込まれたシステム。起源はヨーロッパです。標高約 1100m 
に及ぶ未開の大地(セラード)に建設された計画都市なのです。

これは建築家『Lucio Costa』の設計で、パラノア湖の周辺には
飛行機が翼を広げた形状を施しており、機首の部分には国会
議事堂や連邦最高裁判所などの政府機関が並び、翼の部分には
高層住宅や各国の大使館が配置されて、モダニズム的な趣です。
中央部にはブラジリア国際空港 (Aeroporto Internacional de
Brasília) が在ります。首都の欠点は、河川が無い内陸部に建設
された為に水運手段が乏しい事や、各大都市圏との距離が遠い事。


国家の中枢機能の全てが効率的に整備されており、都市理論は
『Corbusier』の近代計画が基礎で、首都は司法、行政、立法の
三権と国防の拠点。歴史や文化ならびに土木建築的な価値が認め
られるため、世界遺産としても登録されており、実は都市計画が
完全に破綻している東京よりも優れています。『São Paulo』や
『Rio de Janeiro』『Curitiba』という風に都市機能を巧みに分散
しており、日本の東京一極集中型とは構造が遥かに異なるのです。

 

 

〈 Brasília 4K: The Capital of Brazil in Ultra HD.〉

 

 


São Paulo は南半球における最大の巨大都市であり、経済や流通、
文化の中心地。金融街のパウリスタ通りや、証券取引所 (Bovespa) 
は中南米最大の取引高を誇ります。サンパウロ美術館やサンパウロ
大聖堂、イビラプエラ公園(Niemeyer 設計)、日本人街のリベル
ダージ地区、市内と近郊には3つの空港が整備されています。
因みに1960年まで首都は Rio de Janeiro でした。


〈 São Paulo Downtown, Brazil 〉

 



是非とも東京都心部の構造と比較して欲しいですが、都市計画
としても広範囲に渡り機能的に造られており、高層ビル街と
住宅地区との境界には、恵まれた緑地を適度に活用する事で、
雑多感や息苦しさを取り除いてます。鉄道駅や線路、高架道路や
河川沿いの遊歩道など緻密な構想を基に築かれており、これ程の
大都市圏なのに何故か洗練されています。しかも 760m に及ぶ
高台の大地に在るため、遠方には山脈地帯まで一望できます。

例えば Italia『Firenze』などはルネサンス時代の傑作と建築
で構成されている事から、街並みの景観が非常に美しいです。
首都の『Roma』は約3000年に渡り芸術や建築など文化面において
世界中に影響を与え続けてきた国際都市です。これらと同等な
水準の街並みを日本国内に求めるのは到底不可能。Firenze は
平均標高142m。首都 Roma は平均標高123mに立地します。
北イタリアに位置している『Milano』も平均標高122mで内陸。



 

 

 

 

 
 
 
対照的に東京都港区や千代田区の平均標高は僅か 20~23m。
世界的に比較してみれば明確な標高の差が露わになりますね。
日本国内で流行するブランドネームに翻弄されてしまうと、
多くの間違いに気付きます。標高や地盤の強度、緑地なども
含めて日本の都市は貧弱ですよね。更には計画性に乏しい為に、
建築しては破壊するを繰り返すだけで街並みに統一感が無いし、
曰く付きの土地を綺麗な名前に変更した新興住宅地も顕著です。

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が持ち家派である理由も幾つかあり、極度のインフレに陥った
場合に、お金の価値が無くなり物の価値が上がるからで、金利も
固定で組んでいます。(銀行は利鞘で稼ぐため変動金利を勧める)
世界的なインフレに標準を合わせるかの様に、おそらく日銀は
金融緩和から引き締めへと政策転換するはずで、世界的金融危機
も囁かれている中、ドイツ銀行破綻リスク、アメリカ地方銀行、
日本のメガバンク等が保有するジャンク債なども顕著です。

 

イタリア在住の女性によると、所得に対してガソリン代が非常に
高額であり、原油価格に関しては常にシビアであると。更には
住宅ローンの破綻が身近に起きている事や、中小企業の倒産が
増え続けていると語ります。ヨーロッパ諸国に於いてイタリアは
比較的に低所得の水準でありドイツの半分程。ミニトマトを使用
した「ブルスケッタ」等の料理が貧相な仕上がりになると。

そのため農産物の供給という点に於いても、片田舎に移住する
事で産地直送というメリットが有ります。当然ながら値段が
上乗せされません。衣食住のうち『食』は最も生活に欠かせない。
これが都心のスーパーな場合、仕入れ価格の高騰に繋がりますね。
配送料金(ガソリン代)が高いため店頭販売価格に影響を及ぼし
消費も滞るという悪循環。全体的な労働者賃金の底上げが見込め
ない以上は、典型的なスタグフレーション故に経済は冷え込む。
             
※ Stagnation と Inflation を組み合わせた合成語




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が暮らす街では、下町に降りて桜道を直進した先に県内最大
規模と言われる産地直送の野菜や果物が並ぶ商店が有ります。
地元農家の方々が毎朝、収穫した農産物を持ち寄り自ら値段を
決めて陳列します。環境保全型農業の推進にも取り組んでおり、
栽培履歴の確認や農薬の検査も行っている模様。都会で販売され
ている農作物とは遥かに異なるサイズ感。何よりも新鮮ですね。

ちなみに世界の原油取引は消費地ごとに、アジア(中東産原油)
欧州(北海ブレンド原油)北米(WTI原油)という3つの市場から
形成されており、特に『WTI原油』が原油価格全体の代名詞で、
世界経済の重要な指標になります。常日頃、値動きを見ておくと
幾らか参考になりますね。価格という水物は常に変動します。


〈 WTI原油先物 リアルタイムチャート 〉

 

 


近年に於いて日本国内では、高層マンションの開発が異常なまで
に加速してますが、例えば現在私が暮らしている住宅地の標高
は 146m の位置に在るわけで、高層マンション最上階の部屋
146m と同等な高さです。埋め立て地に建造された建物と山の上
に建造された建物とでは、地盤の強度で考えれば明確な答えが
導き出せます。安全なのは山の高台ですよね。これは当然の論理。

 

 

 


特に日本国内のタワーマンションは元々が軟弱な土地の上に建築
されている場合が多く、沼地を埋め立てたエリアなら浸水被害や
液状化現象を招く恐れがあります。上記のサイトによると近隣
には多摩川が流れてますよね。街並みの景観としても非常に
アンバランスであり、これもまた日本特有の野暮ったい感じで、
都市計画のセンスを微塵も感じない殺伐たる風景です。

事実としてタワーマンションに憧れるのは東アジア圏の人達だけ
であり、一説によるとタワーマンションという建造物は区分所有
として長期間存続するには建物保守や法制度において無理があり、
この宿命的な課題は後10年も経過すれば社会的な大問題に発展
すると危惧されています。つまり近未来の絶滅危惧種であると。

イギリスでは低所得者向けの賃貸住宅という評価であり、妊婦が
4階以上の住宅で暮らす事を禁止する法律があるそうです。タワー
マンションの住環境において発生する気圧の微妙な違いや、特に
高層階の揺れなどは三半規管の発達が未熟な乳幼児には負担に
なるとも分析されています。(高所平気症を患う事も有)
高層階での生活に慣れてしまう子供達は、五感への刺激が足りな
いが故に、身体感覚が養われない恐れがあるとも聞きます。

 

 

 

 

 

 

高層階なため部屋の窓を殆ど開けられず、バルコニーが無い部屋
が多いため、自然との接触が限られてしまうが故に、鳥の囀りや
虫の声、四季の変化を感性で味わう体験が必然的に減らされます。
これは子供達の学習能力にも悪影響を及ぼす事が知られており、
欧州の大学院生を中心としたアンケート調査においても、
タワーマンションに対して否定的な結果が出ているのです。


《参考文献》 Niemeyer Tabioto 
       超高層マンション 高層ビル ブログ

       youtube / Curitiba & Brasília & São Paulo

 

《photographer》 Eiki Ozawa