人の出入りがある。


増えたり、減ったり。

足音が近づいて、また遠ざかる。


ここはそういう場所なのだと思っている。


追いかけないし、

引きとめない。


ただ、開けておくだけ。


その中で、

気配だけを置いていく人がいる。


声を上げず、

名乗らず、

何も求めず。


ただ、ここに触れている。


その在り方は、とても静かで、

とても誠実だ。


言葉は交わされなくても、

温度は伝わる。


見えないところで、

誰かがそっと読んでいる。


その事実は、

この場所の呼吸を、少しだけ深くする。


私は今日も、

変わらずに書く。


縫うように、

整えるように。


往復を前提にしない関わりの中で、

ただ、在るということを続けていく。


静かな中心に、

静かな気配が重なる。


それで十分だと思っている。