カンボジアの旧ポル・ポト政権は、国民の4人に1人にあたる約170万人を処刑や飢えなどで死に追いやった。いってみれば、「虐殺」である。

 これに関して、特別法廷を設置。

 今年7月、ヌアン・チア元議長、ポト派ナンバー3のイエン・サリ元副首相、同夫人、キュー・サムファン元幹部会議長、カン・ケ・イウ政治犯収容施設元所長の5人を捜査対象として捜査判事に書類送致していた。

 そして、19日、ポト派ナンバー2だったヌアン・チア元人民代表議会議長(81)を国際法上の「人道に対する罪」の容疑などで逮捕。ヌアン・チア元議長は、ポル・ポト元首相の側近として、政府に批判的な知識人らの拷問や処刑を指示した疑いが持たれている。

 これにより、ポル・ポト政権の崩壊から28年ぶりに真相解明が始まりそうだ。

 ちなみに、ポル・ポト元首相は、98年に死亡している。

 カンボジアを旅行したことのある私は、この虐殺の舞台となった、「トゥールスレーン刑務所」に行ったことがある。今では、博物館として中を見られるが、今でも、その刑務所の建物は異様に感じてしまうほど、気味が悪かった。独房は本当に狭く、環境は最悪であった。ここで、多くの人々が拷問を受けたという。

 処刑され、その死体が埋められたとされる「キリング・フィールド」は、穴ぼこが無数にあり、正直、そこに埋められたとは実感はわかないものの(しかし、実際は埋められた)、どこか、異様な光景であった。

 カンボジアに足を運んだ際、この「トゥールスレーン刑務所」、「キリング・フィールド」にも足を運んではどうだろうか。

<資料>

2007922 毎日新聞 『特別法廷 旧ポト派ナンバー2逮捕 人道に対する罪 虐殺真相解明へ』