『仮面ライダー鎧武』のオーバーロード語の解読方法 | 多言語マスターを目指して

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オーバーロード語(以下、「オバロ語」という)については、東映公式サイトで杉田氏と山口氏が短期間でこれをマスターしたことと法則のあることが明らかになっていたので、文法は日本語と同じで、日本語の音をある法則に従って変換したものだと推測した。

この推測が正しければ、オバロ語における使用音の出現頻度のパターンは日本語における使用音の出現頻度のパターンと同じになるはずだと考えた。そこで、字幕を見て書き起こしたオバロ語の使用文字を分析して出現頻度の高い文字群を探した。すると、オバロ語では[ア、イ、ウ、エ、オ]の母音文字群、[シャ、シュ、シェ、ショ]文字群、[ファ、フィ、フェ、フォ]文字群、[ジャ、ジ、ジュ、ジョ]文字群の出現頻度の高いことがわかった。こちらの研究によると、日本語では[ア、イ、ウ、エ、オ]の母音文字群、な行の文字群、た行の文字群、か行の文字群、さ行の文字群の出現頻度が高い。したがって、オバロ語で出現頻度の高い文字群は日本語のこれらの文字群を変換したものだと推理できる。

次は、オバロ語と日本語の文字群の間の対応関係を特定するという作業になる。ここで、筆者は疑問文の文末に着目した。オバロ語の疑問文は「ジエフォン ショ?」、「オブリョファショ?」、「アミャデェバリャエファショ?」の例にみられるように、「ショ」で終わる。この「ショ」が日本語の「か」に当たると判断した。そして、オーバーロードは敬語を使っているようには思えないので、「ファショ」は「すか」ではなく「のか」だと考えた。これでわかったことは、オバロ語はグロンギ語と違い母音も変換されているということだ。「か」が「ショ」に変換されているのだから、日本語の「a」の音がオバロ語では「o」になっている。「の」が「ファ」に変換されているのだから、日本語の「o」の音がオバロ語では「a」になっている。

ここまででわかったことは、オバロ語と日本語の間では「a」と「o」が入れ替わることと、オバロ語の「f」が日本語の「n」、オバロ語の「sh」が日本語の「k」に当たるということだ。筆者はこれに加えて、オバロ語と日本語では「i」と「e」が入れ替わり、「u」は同じだと推測して、書き起こしたオバロ語の台詞の[ファ、フィ、フェ、フォ]を[の、ね、に、な]に、[シャ、シュ、シェ、ショ]を[こ、く、き、か]に変えてみた。

そして、オバロ語の[ア、イ、ウ、エ、オ]と[ジャ、ジ、ジュ、ジョ]に母音・た行の音・さ行の音を当てはめてみて意味が通じる組み合わせになるかを確認すると、オバロ語の[ア、イ、ウ、エ、オ]は日本語の[お、え、う、い、あ]に、オバロ語の[ジャ、ジ、ジュ、ジョ]は日本語の[と、て、つ、た]に当たるとわかった。

残りのオバロ語の音についても出現頻度を日本語の音の出現頻度を参考にして、オバロ語のどの音が日本語のどの音に当たるのかを確定していった。そうしてわかったオバロ語と日本語の音の対応関係は以下の通りである。以下、オバロ語をカタカナで日本語をひらがなで表記した。
(4月8日追記 修正部分は赤い文字で書いた)

ア→お、イ→え、ウ→う、エ→い、オ→あ
カ→を
ミャ→も、ミ→め、ミュ→む、メ→み、ミョ→ま、ム→ん
ラ→ほ、リ→へ、ル→ふ、レ→ひ、ロ→は
ン→濁音記号
ガ→よ、グ→ゆ、ゴ→や
バリャ→ろ、ビリェ→れ、ブリョ→る、ベリャ→り、ボリャ→ら
シャ→こ、シュ→く、シェ→き、ショ→か
ジャ→と、ジ→て、ジュ→つ、ジョ→た
ダ→そ、ディ→せ、デュ→す、デェ→し、デョ→さ
ファ→の、フィ→ね、フェ→に、フォ→な
(注釈:ただし、後に「ン」が来る場合、次のようになる。ファン→だ、フェン→で、フォン→ど)
長音記号「ー」についてはオバロ語でも同じように使われる。
日本語の拗音「ゃ」「ゅ」「ょ」を表す際は「ゴ」「グ」「ガ」を用いる。
日本語の促音「っ」を表す際は「ジュ」を用いる。
日本語の半濁音(ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ)がオバロ語ではどうなるかは実例がまだないのでわからない。

こうしてみると、現段階では日本語のすべての音を表すにはオバロ語の音が足りない。推測できるところも含めて日本語の音がオバロ語ではどうなるかについては別記事で書くことにする。