ちょっと前の話 その2
少し話があるんだけど、いいかな?
システム開発部のN部長に呼ばれました。
彼は、転職の多いボクを何故か拾ってくれた人です。
銀縁メガネで、何故かいつもサスペンダーをしていました。
当時はパソコンが大型の電算機にとってかわろうとしていた時代でした。
キミもシステム開発がどんな仕事か分かってきただろ?
ええ。
もう、部長に中途採用して頂いて、3年にになりますので。
じゃぁ。もうシステム関係の営業は任せられるね!
え!?
ど、どういう事ですか?
実は、この会社を辞めて独立しようと思う。
ほ、ほんとうですか?
この時、ボクの頭のなかをふたつの思いがよぎりました。
ひとつは、
このオレで、仕事がこなせるのか?
と、いった不安と。
もうひとつは、
もしかしたら、頑張れば、数年後にはオレが部長?
と、いった虫のいい考えでした。
その日は駅のホームではなくショットバーから、
ボクは家内に電話をしていました。
ちょっと、お客さんと打ち合わせで、飲んで帰るから・・・。
うん。ゴハンは要らない。
カウンターの端っこでバーボンの氷と一緒に、
とりとめのない考えをこねくり回してると
聞き覚えのある声が後ろのボックスの方から聞こえてきました。
それは、営業会議でも一番ねっちこいK常務の声でした。