【アサカディフィート】 | 中舘英二オフィシャルブログ「“逃”稿日記」Powered by Ameba

【アサカディフィート】

夏競馬も終わったので、
また、以前のように僕の思い出に残っている馬の話をしたいと思います。



今回は今年引退したアサカディフィートです。


この馬が6歳の時の中山金杯で初めて乗せてもらいましたが、
その時がこの馬の初重賞勝ちとなりました。


この馬のキャリアを考えれば、僕の騎乗機会は少ないですが、
2勝目の小倉大賞典を勝たせてもらったりと、
本当にいい時に乗せてもらえて、巡り合わせも良かった1頭でしたね。


アサカディフィートはデビュー当時、前で競馬をする馬でした。
でも、もともとゲートがいい馬ではなく、
頭を下げたり、つまづいたりがあったので、
いつの間にか馬が後ろからの競馬をおぼえていったんだと思います。


後ろからいくと、最後の1ハロンはものすごい脚を使う馬。
中山金杯の時もそうでした。
3コーナーからの行きっぷりがケタ違いでしたね。


ただ、後ろからの競馬だと、展開に左右されるし、
結果だけ見るとムラな成績になってしまいます。


それとあわせて気分屋なところもあって、走りに集中できない時もありました。


逆に言えば、そういう気性面も
結果的に長く競馬を使えた理由のひとつかもしれません。



鶴留先生のところの馬にはそれまでにも乗せてもらっていましたが、
とても馬を大事にして、馬が長持ちする厩舎という印象があります。


この馬にしても、オク手だったこともあるんでしょうが、
若いうちに無理をさせず、厩舎で取り組んでいったことで、
高齢になっても衰えず走れたんじゃないかと思います。


この厩舎にも、この馬にもお世話になったし、
いろいろなことを学ばせてもらいました。


アサカディフィートは、
そういった点で、いい思い出として残っている1頭です。