息子と狩猟に服部文祥狩猟者はいつどこで猟をするかを事前に口にしない。縁起をかつぐ猟仲間は、山の神が獲物を隠すからと言う。必然を積み重ねて、偶然を待つ、それが狩猟。いちばん重要なことは、事故を避けること。ジャングルの猟師は口笛で会話ができる。鹿は耳が大きい。顔と同じくらいの面積がある。山奥に長く暮らす熊は殺さない。山の秩序が乱れるから。生き物は動いているものに注意が行く。動かないものを見つける能力はそれほど高くない。人はこの点、ほかの生き物より秀でる。