地区連銀景況指数のトレンド
8月フィラデルフィア連銀景況指数が公表された。調査期間は8月9日から8月16日で製造業における足元の景気動向を示している。ご存じのように、この指数は対象地区の景況感だが、ISM製造業とも相関は高い。
8月は7月(21.9)から2.5ダウンの19.4で、好景気の範囲内にあるものの4ヵ月連続の鈍化となっており、春先の最高値を経由して今年に入っての最低値、ということになっている。そしてトレンドを示す3か月移動平均もこれに続いている。(24.0) これらは前回お伝えしたECRIのWLIと同様の軌道だといえる。以下、各地区製造業指数も参照。(一般的には、フィラデルフィア連銀はPhilly fed、フィリー連銀といわれる)
現在、インフレが注目されているが、この指数(フィラデルフィア連銀景況指数)の構成項目の中では仕入価格がそれに近い。8月は71.2だった。 たしかに、生産者物価のような実績データではなく景況感なのだが、推移自体は物価を観るうえで参考になるものと思われる。
仕入価格指数は、6月に42年ぶりの高水準(80.7)をつけた後、7月が69.7、今月8月は71.2と急落した。以前として高水準にあるものの、5月(76.8)よりも低い位置に軟化している点は留意が必要になる。