
Update2: ホワイトアウトに包まれるマーケット ‐1月FOMC‐
今回のFOMCが無風になることはお伝えしていたが、結果としてもその通り。
無風だけにマーケット的にどうの、といったこともなく、金融政策的にも維持(maintain)なのだが(カラクリp187)、見当違いのテーパー言及を予想していた人たちにとってはマイナスインパクトがあったのかダウ平均は下落した。(ドル円は104円前後だが) 米ドルが買い上げられていく、ということは考えられない。
そんな中、第3パラグラフではワクチン接種の進捗状況まで踏み込んでおり、ごく個人的には関心あり目を引いた。まぁFOMCの歴史の中では初だと思われ。
The path of the economy will depend significantly on the course of the virus, including progress on vaccinations. The ongoing public health crisis continues to weigh on economic activity, employment, and inflation, and poses considerable risks to the economic outlook.
予防接種(vaccinations)の話がでているものの、今現在、日本国内でも懸念されている南アフリカ変異株やブラジル変異株による再感染、またはワクチンの有効性低下懸念こそ今後の大きなリスクになり得ることは間違いない。
雇用に関しては、パンデミック前の2019年12月における労働参加率を基本にしなくてはいけない。当時の労働参加率は63.0%で失業率が3.4%だった。 直近の失業率(2020年12月)は6.7%で労働参加率は61.5%になる。 就業者数が増加したとしてもベースとなる労働参加率が停滞、若しくは減少していけば「悪い失業率の低下」ということになる。雇用市場全体としては、労働力が低下するからである。
インフレに関しては、第4パラグラフで「2.0%をやや上回る水準を一定期間継続する事を目標にしている」(the Committee will aim to achieve inflation moderately above 2 percent for some time)としていたが、現状は以下。
FOMC声明文では珍しく、PCEインフレではなくCPIインフレが表記されたが、そのCPIは前年比で1.36%。これを、しばらくの間2%オーバーとする(FRB)ということに無理があることはチャートを観れば明らか。
上昇させるとすればエネルギー、しかし上図をみてお分かりのように前年比では悲惨なことになっている。そして景気後退期の特徴として、経済全般が止まるので、運輸・輸送セクターはマイナス成長となり、顕著に打撃を受けるのはアパレルなどのレジャーセクターになる。
パウエルFRBが目指すインフレ2%オーバーというのは、現況においてはまるで夢物語のようだ。端的にいえばFOMC声明、そして経済見通しは全くアテにならない。
それは南アフリカ、ブラジル変異株の脅威に直面し、ワクチン無効化の現実が差し迫っているからである。 これは余談になるかも知れないが、いい加減な国内マスコミの報道を信じてはいけない。率直なところ、日本政府が今すべきことは日本来航の規制強化であり、それが日本人を守ることになる。にも関わらずその逆を実行するという流れを作ろうとしている。(五輪開催)
ただ、五輪に関しては東京が中止宣言を出したとしてもバッハがそれを容認することはないだろう。 IOCとしては中止に関して保険に加入しているが、その要件の中に感染症が入っていないとか何とかで、資金を提供する米NBCユニバーサルは無傷、ここでは未確認の情報もある事から詳細には述べないが裏金の流れもあり、バッハは自己都合から開催を強行しようとする立場にある。
で、熱くなり話が少々ズレてしまったが、 、米金利がどうすれば上がるのか?ともお伝えしていた。米2年・10年ともに1月11日以降は低下トレンドで10年利回りに関してはせっかくの?1.000%に迫る展開となっている。(104円をつけているが為替レートは基本的に金利差の結果である)
イエレン‐パウエルの連携といった話もでてくるが、これも全くナンセンスな報道で、現時点で債務上限を超えた国債が発行されており、先日お伝えしたようなプルーデンスの専門家が要職につくとなれば、多額の財政出動は不発に終わる。財源確保が難しいため、ターゲット政策も再開見通しは立たない。
※追記:リーマン後のQE発動時は包括的な減税政策もあり金利は上昇した。2016年末のトランプラリーにしても減税効果からの金利上昇が発生。今回のバイデン政権では逆に、法人・個人問わず増税見通しとなっており、良い金利上昇というのは考えにくい、ということ。
オマケとして、ダウは反落基調だが、昨年末お伝えしたように2月2週まではとくに注視が必要になる、ということ。(窓埋めということではない)
変異株の不確実性とワクチン無効化、これに経済見通しが大きく委ねられている、ということであれば、ごく個人的な意見だが「お先真っ暗」というのが現時点での印象になる。
※例のごとくバタバタなので校正するかも


