パウエル体制のリスク、米国の逆イールドについて(最近のまとめ) | ニューノーマルの理 (ことわり) Powered by Ameba

パウエル体制のリスク、米国の逆イールドについて(最近のまとめ)

休日に更新する事だってあります。マーケットにノイズが発生すれば、日時を問うている場合でないし、責任というかこだわりなので。

 

恐縮ながら、当ブログFOMC直後の記事から抜粋。

 

現況が継続すれば目先、ドル円レートは110円は近いようで遠く、スケジュールの細部は確認していないが111円も近くて遠い。目先のコアレンジは110.35-110.85.動くとすれば思わぬ材料。 (抜粋)

 

FRBの金融政策局が敷いているレールに基づけば、上記コアレンジには確かに自信があったわけです。特に自分の場合は確信を得た時でないと数値に言及する事はないし、実際にその後、当水準を推移するトレンドを見せていた。

 

動くとすれば思わぬ材料」、というのは後付け的になってしまうが逆イールドが発生し、たしかにこれは数年ぶりの出来事であり、FRB内では懸念されていた現象でもあった。マーケットインパクトを与えるには十分すぎる出来事だったかもしれない。

 

3月会合におけるドットプロットでは、2019年末の政策金利予想に現行水準が固まり「最頻値」となった。FOMC内において、逆イールドを懸念した事も多かれ少なかれ関係したのは間違いないだろう。 がしかしその声明文とドットプロットによって市場を持ち上げるどころかFOMC自らマーケットを落とし込んだのは「FOMCメンバーたち」自らであり、彼らは無垢過ぎた、というか稚拙だったのかもしれない。市場やトランプに対して平身低頭過ぎたし結果として逆効果を生み出す事になった。

 

市場を持ち上げ利下げするつもりは無かったが、ひょっとするとそうせざるを得ない迷路に入った可能性は少なからずある。がしかし即座にマイナス成長に突入する事は無いので、手腕が問われることになる。

 

ただ水を差すようだが、以前からお伝えしていたように、今までの流れを見る限りでは議長の手腕と決断は稚拙に見えるし、1月4日の極端な政策変更アナウンスがそれを物語っている。("gradual"から "patient"へ -今週は10日議長討論会と副議長スピーチ‐) 「衝撃的に驚いた」(自分)というリンクだが、つまるところ、やっぱりこうなったか、という感じ)

 

(前回記事のチャートは著作や過去レポのやつだったので、以下、今回の逆イールド含めた画像アップ)

 

 

2018年の政策変更会合すべてにおいて(あえて4度とする)、利上げを実行したのは、住宅バブルを目の当たりにした理事たちが、住宅バブルをあまりに恐れたため、と個人的には解釈。 彼らは、住宅ローン金利と着工件数の流れを見ながらグリーンスパン時代の運営を参考にしながら政策決定を行っていたと感じていた。

 

 

よって25日の週から債券利回りがどのような推移を見せるのか注視、といったところになるが【拙著カラクリ2版7章5、イールドカーブと為替レート】、端的にいえば、「なぜあんなに連続利上げして、わずか10日で『忍耐強い』になるのか」ということ。

 

今年は発言の場を自ら多くした、「パウエルの危うさ」は今後も継続する。