「累麻疹 死霊解脱物語聞書」 劇団1980 下高井戸 10月14日まで | えいいちのはなしANNEX

えいいちのはなしANNEX

このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

下高井戸で、劇団1980を観ました。

「累麻疹」、麻疹というのは要するに悪幽が取り憑く、みたいなことかな。
「累」というのは女性の名前だけど、のちに鶴屋南北の芝居や三遊亭円朝の怪談ばなしで有名になり、「累ヶ淵」(累が突き落とされて殺された淵)といえば怪談の別名として有名。というくらいの古典的教養らしい(いま調べた)。


「利根川東遷事業」が始まった頃、羽生(え、俺の先祖の故郷だ!)の物語。昔、村の厄介者として殺された女の死霊が娘に取り付き、無理難題を言い立てる…という話。社会の理不尽さ、異物を排除しなければ生き残れない社会のほうの理屈、みたいのが徐々に現れていく。ミステリー仕立てとも言えて、面白かった。


ここの役者さんは、みんな「江戸時代の農民」というドロ臭くて人間の業に溢れている、ホントに普段からそんなふうに生きてるんじゃないか、って雰囲気を自然に身にまとっていて(もちろん演出とか演技とかが良んだろうけど)、物語がとてもリアルに迫ってくるんですよ。


今週末(14・日)までやってます。下高井戸の商店街を抜けたむこうで。