『営業SMILE』 第一章 連載.31 | Barで過ごすひと時を・・・ with 小説『営業SMILE』 ~君の笑顔信じてもいいですか?~

『営業SMILE』 第一章 連載.31

 今日の片町はいつにも増して人で賑わっている。夕食というには遅い時間だった事もあり、おおよそ屯しているのは男だけで飲みに来ている連中。そしてその男達に店に来てもらおうと頑張っている街宣達。後は出勤の最中であろうホステスや、同伴中のホステス達。カラフルな紙袋を提げている者が多いのは今日がクリスマスの証拠なのか?きっと男達はお気に入りの女性に見返りを期待しながらプレゼントを持っていったり、女性はクリスマスと言うことを理由に欲しかった物をプレゼントとしておねだりしたりするのだろう。

 

様々な邪な思惑が交錯する場所……歓楽街。

 

そんな光景を眺めながら、雄司はスクランブルに到着した。交差点にあるドーナツ屋の前で徹也がいないか見渡してみる。大概この場所にいれば徹也が声をかけてくるのだが、今日に限っては見当たらない。この時間帯に出ていないって事は、結構店が混んでいるのか?

 

「徹也君、どうして今日に限っていないんだ?」

 

しばらくその場所に留まり周りを見渡すがやはり見つからない。そうこうしている内に信号が青に変わり、歩行者が交差点になだれ込む。

 

一箇所できょろきょろとしているのも気まずいと感じた雄司は、なんとなく逆側に渡ってみることにした。  

To be continued〕

 


 

 

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