英語上級者の英文でも、添削していると、「不必要・不自然に難しい英語表現」に出会うことがよくあります。間違っているとは言わないまでも、日常会話の文体の中に、急に専門家の口調が飛び出してきたような印象があり、文章全体としてチグハグな感じが否めません。また、無理やり捻り出した感(別の言い方をすると、日本語の直訳感)があるこうした表現は、最終的にはミスの温床でもあります。
拙著「英文法の鬼100則」でも述べた通り、我々英語学習者にとって、「中学英語は使うための英語」「高校英語は理解するための英語」のスタンスで学習を進めて行った方が、「話す・書く」英語の向上がスムーズに望めます。したがって、中学英語を的確に使っていくことが大事です(中学英語は「子供っぽい」英語ではありませんので、念のため)。
ではどうやって中学英語を使っていくのか、ということになるのですが、先ほど述べた通り、不自然に難しい英語表現は、実は「難しい日本語」を直訳することで出現する場合が多いのです。例えば車があると、たくさん買い物をするときに荷物を運ぶのに便利ですが、これを「自家用車を所有していると、食糧量販店で多くの商品を購入した場合でも搬送するのに利便性が高い」というような思考回路で英文にしようとしてしまうのです。どうですか?間違いではないかもしれませんが、日々の買い物の話に「自家用車」「食糧量販店」「搬送」「利便性」という言葉は不自然です。
こうした言葉を選んでしまうのにも理由はあると考えられます。こうした難しい言葉はひとつの単語で言いたいことをしっかり伝えてくれるという利点があります。そして、難しい単語であるほど意味にあいまいさが少ないため、翻訳しやすい、という利点もあります。。例えば「搬送する」を「運ぶ」にすると簡単ですが、「運ぶ」という、少しゆるい、というか漠然とした意味を表す英単語はいろいろありそうで、自分が話している文脈ではどれにすればいいか、迷ってしまいます。
しかし、平易で明瞭、かつ簡潔な英語表現は、英語ネイティブだけでなく、ノンネイティブ間で英語を共通語としてコミュニケーションを取る場合にもとても役に立ちます。そうした英語を話すために、まずは「中学レベルの日本語」(いわゆる最近よく言われる「やさしい日本語」)を思い浮かべ、それを英語にする癖をつけるよう訓練することがとても大事です。
以上、本日の気づきでした。




